エクソシストもそうだが、この「オーメン」も第一弾の映画は大変に面白いものであったが
二作目、三作目、そして四作目ともなると、もう悪魔は・・・。
「ローズマリーの赤ちゃん」から、いろいろと作品が出てきたが、この「オーメン」はエクソシ
ストのグロテスクな恐怖がない分、より子供の恐さを際立たせている・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=3PuIBNLOeEU
「オーメン」 七十六年公開作
「エンブリヨ」にロック・ハドソンならば、こちらはグレゴリー・ペックだぞってな、
見得の張り合いでもないが、「ローマの休日」の新聞記者も神と悪魔を扱った
ホラーに出てしまうんだ・・・。
まぁ、それと共に「鳥」のリー・レミックもとなると、おどろおどろしいメイクでない
ホラーとしてというよりスリラーとして、この一作目はよくできている。
大使夫妻のお子様誕生が、生後すぐ息を引き取り、大使役のペックが神父に
頼み込んで新生児を、それも同じ時間に生まれた子を貰い受ける・・・。
正常な判断出来る人ならば、なんで神父?等の疑問は、この際忘れて、その
貰い受けた子を「ダミアン」と名づけ実子として育てる。
その子の成長と共に、周囲に災難が頻発し始めると、周囲を固めてその子が
悪魔の化身であるを観客にそっとそして強烈に印象付け、首吊り自殺やガラス
に寄る首の切断、クライマックスは妻の宿した胎児に対しての攻撃を無邪気に
遊ぶダミアンの三輪車と、観客を追い込んでいく演出は見事で、それにこのリー
レミックの驚愕の表情は瞳の色と共に、その怖さを倍化させてくれる。
良くホラーは叫びの声の良い女優がヒットするってなことがあるが、この瞳の驚
きにはそれに準ずる恐怖を観客に見せている。
で、ペックは異変に再び神父を尋ね、ダミアンの生誕の秘密を知ってしまう。
山犬の母って、もうここらでこちらは「オイオイ」なのだが、キリスト的神を信じる
ものはサタンも悪魔も存在するというところで、何ら違和感がないらしい・・・。
って、映画だよの突っ込みは無視して、最後の攻防も虚しくペック夫妻は露と消
える。その葬儀に臨席した大統領夫妻の傍らに「ダミアン」が・・・。
というラストに、続編の匂いをぷんぷんさせて終わるのである。
http://www.youtube.com/watch?v=qohfnkV8J3Y&feature=related
「オーメンⅡ」 七十八年公開作
大使夫妻が死に、生き残ったダミアンはその弟の会社社長に引き取られる。
その弟がウィリアム・ホールデンって、ペックの弟かい、その妻がリー・グラント・・・。
名の通った俳優も、お仕事だから・・・。
裕福な家庭からダミアンは陸軍士官学校へと、そこでも優秀な成績を収めるが
再び周囲は災難が降りかかり、博物館も経営する弟は、やはり兄の死因と共に
ダミアンに不信を胸に持ち始めると、同時にダミアンも士官学校で黙示録から
自分が悪魔の子であるを知り・・・。
今度は無邪気でなく意志をもって、邪魔者は消していくし、圧倒的な邪悪な精神で
相手をマインド・コントロールし、身の危険を払ってしまう。
そして養父となった弟との対決も、操れる妻によって殺害を試み、証拠隠滅するか
のように博物館が火に包まれ、平然としているダミアンの姿で、エンドと、再び生き残る
ダミアンと続編を匂い立て仕舞いになる・・・。
ここまでは無邪気な子供から青年期に掛け、自分が何者かに焦点をあてているから、
それなりに面白い内容になっているが、やはりキリスト教でないこちらにすると、良心
の呵責に寄る責め苦で、自分も火に飛び込み死んでいくが、後味良い映画なのだが・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=w7fK9tM993Q&feature=related
「オーメンⅢ 最後の闘争」 八十一年公開作
立派なそれでいてどこか、意固地な性格の悪さが顔に出ている姿になったダミアンは
もう大統領最高顧問となっていた。
そして第一作のイギリス大使として赴任と、同じくカルト集団の親玉として、バチカンの
ダミアンの悪魔の再来を知っている神父が、ダミアン殺害へと動く。
と、スケールがアップしたかになるが、結局は博物館の中から発見された短剣を胸につ
き立てられて、あえない最後を遂げるで、物語は終わってしまう。
もっとも壮大な権力を握った悪魔であれば、勿論核へと触手が動いてってなところで、
ホラーから壮大なアクションへと変貌してしまい、収拾がつかなく恐れは多分にある。
にしても、女子アナが最後の頼みとは・・・。
もうここまで来るとダミアンの無邪気でありながら、背後に見える恐怖は観客に見えず、
ただのあんちゃんの世迷言と、神父達なまくらな人格者との、痴話げんかじみて、聖剣
とは見えないもので、一命を落とす。
まぁ布石は、神のお告げみたいな誕生を予知したダミアンが、子供を殺されるところと、
落雷によって神父が命を落とす場面のみ、光っていただけのなんとも三部作の結末は
お粗末さまでした・・・、で、終わっている。
http://www.youtube.com/watch?v=Pq0idm7Iw4s
「オーメン Ⅳ」 九十一年公開作
映画ではなく、あちらで言うところのテレビ・ムービーを日本では劇場公開
したもの。未見で感想なし・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=_wfEziDWLj0&feature=related
「オーメン 666」 〇六年公開作
一作目のリメイク版。
公開が六年六月六日と、「オイオイのオイ」な、まるで北京オリンピックの迷信好きな
中国人と、よく似ている宣伝効果を狙ったのだろうが、ただのリメイク、それも魅惑的
俳優が出ていず、映像は綺麗だし盛り上げ方もそれなりになのだが、所詮リメイクは
はじめてみた客と焼き写しみたいなものとでは、三十年の時の経過が、どうしても過
去のものに軍配を上げさせる。
それに何より時代が進みすぎて、余程のことがない限り、脚本をいじりより現実味を
帯びた作品に偏向しないと、途中で飽きてしまう。
不吉な予兆は、これをリメイクするという時、公開する前にあったのでは・・・。
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といったところで、またのお越しを・・・。