ジェーン・フォンダ主演のサイエンス・フィクション的映画「バーバレラ」は
その監督、ロジェ・バディムの趣味が大いに反映された見世物映画である。
http://www.youtube.com/watch?v=1uwNEnh9uaM&feature=related
「バーバレラ」 六十八年公開作
まぁ今現在から思えば、良くこんな映画にジェーン・フォンダは出演した
ものだという感想が漏れるが、当時はそれこそ口のうまいやさ男の口車に
乗ってで、後悔先に立たず状態、消し去りたい過去を持つという心情になっ
ているのではないか・・・。
何しろこの監督、映画主演をくどき文句にしているかのようで、ブリジット・
バルドーもそうであったし、次の奥さんもやはり、内容は何にもなくただ単に
その肢体とファションショー的映画に終始していた。
この「バーバレラ」もやたらファションショー的要素があり、場面展開が衣装
変えで忙しいものだ。ただ原作がエロチック・サイエンスという何ともなもの
で、奇抜な責め具として、奇抜な装置が登場あたりや、やたら変な異星人の
登場には、コメディとしてのエンターティメントはばっちりだった。
勿論そこは、安っぽい作り物だが、ジョン・フィルップ・ローとかデビット・フレミ
ング、あの「欲望」で良かったか、今でいうストーカー的粘着質主人公を気色悪
く演じていた俳優とか、それなりの人たちがこのお馬鹿映画で活躍している。
勿論それらの人達は、ジェーンを引き立てるだけのものだから、それらの人達も、あ
るいは出演を後悔しているかもと思える演技で、要するにぐだぐだな映画である。
ただ、このぐだぐだ感がこの映画を今見ればとても面白いものだ。
コミック原作だけに、どんな映画となっても原作者は文句をいうはずもなく、監督の
好みの色使いとかで、違和感たっぷりの船内・・・。
第一、出だしの無重力ストリップというところから、このへんてこな世界に引きずり込
まれるから、見終わった後はて、これがサイエンス・フィクションなのか、サディステッ
ク脳内妄想の発露なのかと、考え込ませる・・・。
なんてことはなく、ただのお馬鹿映画で、監督の「どうだ、俺の女はいいだろう」的、
自己満足に付き合わされた哀れな観客といったところ・・・。
だけに弱々しいのに、結局は問題を解決してしまうジエーンと相成り、物語はハッピー
エンドでめでたし、めでたし・・・、と当時だったらあきれ返るものが、時代の流れは
お馬鹿に寛大な時代だから、大笑いで受けることだろう。
リメイクされるらしいので、その時は「安物のやすものらしさ」を狙った当時と同じく、
安物らしさを充分に映像にちりばめてもらえたら、きっとより受けるだろう。
六十年代とか七十年代の映像が、今の時代に受ける空気は、やはりお馬鹿が
キーワードと思える・・・。それがいいのか、悪いのか・・・。
といったところで、またのお越しを・・・。