アンチ・ヒーローの輝く泥棒映画「黄金の七人」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

イギリス人には負けていられないと、イタリアの映画人もマカロニ・ウェスタン

がヒットしたなら、こんなものもヒットするだろうと取り組んだのが、日本の

「七人の侍」を頂いて作った「黄金の七人」である・・・。




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http://www.youtube.com/watch?v=OlSeN-EV4Ks&feature=related

「黄金の七人」 六十五年公開作

一人の頭脳明晰な教授と呼ばれる男と六人の凄腕のプロの泥棒たちに、男だけでは

今ひとつ華やかさに欠けるので、色っぽいねぇちゃんを配して、巨額の金強奪を企む

というコンセプトで進行する泥棒映画。

刺身のつま的役割を「トロイのヘレン」でヒロインを演じたロッサナ・ポデスタが演じている。

ここらは「ルパン三世」の峰不二子だと思えば、なんだか「七人の侍」やと日本のパクリかい

なと、思えない節もないわけでなく、イタリアだなぁ・・・。

何しろ配給が東和映画である。

「荒野の用心棒」もそうだが、黒沢明ものを持ちかけて作らせたのではないかと思える。

同時期製作で、こちらも新人がスタッフを固めているのだから・・・。

「ルパン三世」よろしく、金塊強奪に成功しても、この峰不二子は独り占めをはかり、それを

見破る教授によって・・・、最後は金塊が民衆の前にばらまかれて散々の結果・・・。

にも懲りず、七人は新たな泥棒稼業へとで映画が終わるのだが、ここらは当たったら、続編だ

の商売根性見え見えのエンディングで、にたりと笑いが漏れてしまった。



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http://www.youtube.com/watch?v=IN_xJNgysTs

「続黄金の七人、レインボー作戦」 六十七年公開作

めでたくヒットした作品の続編で、今度はよりスケール・アップしてローマの金塊を素早く盗み取り

その快挙に共産圏の国が関心を示し・・・。

ここらはもろ「ジェームス・ボンド」的映画への対抗心ありありで、依頼されたミッションをこなしつつ

副業というか、本来のお仕事も見事にこなしてって、ヒーローものにありがちなスーパーマンへと近

づいてしまい、何ともな兵器も多数登場してくる。

で、最終的に金塊を孤島に運び込み、めでたしめでたしなのであるが、もうこれでは後が続くはずも

なく、さすがイタリアと唸ってしまう作品に仕上がった。しあがった・・・。日本語は難しい・・・。


全く関連性もない物でも、さすが商売上手な配給会社東和映画である。

こんなものまで、シリーズと見まごうタイトルで公開された。


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http://www.youtube.com/watch?v=gECb5DUPEkE&feature=related

「黄金の七人、エロチカ大作戦」 七十一年公開作

邦題を同じようにすれば客は入るだろう。まるで大蔵貢ばりの乗りで公開した作品は

一人の冴えない男の「イタリアの種馬」物語で、ここに熟女となったことでそれなりの

作品しか出れなくなった女優を集めて、ロッサナ・ポデスタがでている関係からの邦題

だと解釈出来るものだが、これにシルバー・コシナや色っぽいのをまぶして、単にピンク

映画的物語で、てめぇのかぁちゃんの浮気現場を覗く役立たず旦那とか、そして結局は

うぶな娘とが一番と相変わらずのハッピー・エンドという、邦題に頭に来る内容・・・。

もっともお色気期待には堪えられないエロい映画であった。

この他、新黄金の七人という、配役を一新してのものもあったが、それが一番泥棒映画で

は良かったりしたのだが、このシリーズはやはりどうでもいい峰不二子役が絡んでほんぼ

の映画だけに、本格的は敬遠である。

このほかイタリアでは、〇〇七より十倍強いという触れ込みの秘密諜報員シリーズなんての

もあって、気が向いたら紹介をしたものだ。

それにしてもB級の本場は、やはりイタリアが一番なのかも・・・。


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                         といったところで、またのお越しを・・・。