ローカル・ヒーロー/夢に生きた男 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

イギリスらしい、大人の御伽噺映画。

風光明媚な田舎町を舞台に、開発という近代化か、はたまた

昔ながらの細々とした生活かで、町は揺れるが乗り込んだ

担当者は、都会にないのんびりした時間と人々の温かさに

いつしか開発への反発も心に芽吹いてくる。

そして澄み渡った天空の流星群、海洋学者との恋、と板挟み

から最後に、らしさ全開のラストへと・・・。




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http://www.youtube.com/watch?v=R4WQZbGMrl4

「ローカル・ヒーロー/夢に生きた男」 八十三公開作

主人公は石油精製会社に勤めるサラリーマン、名前がスコットランド

らしいというだけで、石油コンビナートの想定地のスコットランドの風光

明媚だが、ど田舎の町へ買収目的でやってくる。

都会からの珍客に、町の人々は一様に歓迎ムードで、主人公も抵抗を

予期してきたものだから拍子抜けするが、逗留続けていくうちに、徐々に

自然な佇まいと、静かな時間に憧れにも似た感情を抱くようになる。

また開発に反対の海洋学者の女性に一目ぼれしてってな、出来事も絡

めて開発計画の方は進んで、反対者は一人だけになる。

とほとんど会話と風景で淡々と物語りは進んでいく。

空恐ろしく地味である。ただの田舎の日常が、また風光明媚さが映し出

されるだけなのだが、見ている人さえも、不思議と自然を守れへと感情が

押し流される。

この巨大会社の社長役のバート・ランカスターもいい味を出して、ずれた

会話が、何とも面白い、で、最終的にこの社長の鶴の一声で、何もなかっ

たことと相成り、めでたしめでたし・・・。

淡々とした日常と、経済発展、脱皮したい人には悪魔の囁き、自然に生き

たい人には環境破壊者となる、さてどちらが・・・。

なかなかに旨いつくりの映画で、御伽噺的面白さが、見終わった後に残った

映画だった。


http://www.youtube.com/watch?v=WgF3b-KG2VA

挿入歌 淡々とした映画には、こんなインスト曲が、良く似合う。

まるで「ゴンチチ」を聞いているようだ。


http://www.youtube.com/watch?v=9R2dsmggw6E&feature=related

ラスト・シーンからエンドロール

ここで流れる曲も、観客が席から立てなくなる、印象深い曲だ。

見終わった後は、優しい心持になれる映画及び音楽である。


自然破壊と開発は、こんな御伽噺のようにすんなりと解決すれば、

醜い争いも起こることもないものだ・・・。

もっとも人間が、どこで満足感を満たすものかだが・・・。


               といったところで、またのお越しを・・・。



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