時に色褪せることなく存在が危惧される「第四の核」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

これまでもフレデリック・フォーサイスの原作映画について書いてきたが、この映画も原作を読み

大変面白かったものである。

題名は当時の核保有国米英ソ連による核開発に於けるそれぞの都市での議定書のほかに、「第

四議定書」という秘密裏に重ねた会議の議事録の幻とされるものが存在するというお話しで、勿論

題名になっている「核」の取扱についての会議録から「第四の核」となる・・・。



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http://www.youtube.com/watch?v=d01NRFVEA-o

「第四の核」 八十六年公開作

原作は文章での緊迫感もあり、それぞれ暗躍するスパイの悲哀や、それを阻止しようと

人知れず動き回る諜報部員の辛さや不安なども丁寧に描いていて、読み応えある書物に

なっていたが、いくら原作者が製作に携わろうとも、役を演じるのは俳優で、どうしてマイケル

・ケインなのかと不思議になるのだが、この人の映画は大概こける。

「ポセイドン・アドベンチャー」の続編も何だこれだったし、脇に徹すればいい味出すのだが

それにジェームス・ボンド役のピアース・ブロスナンのソ連の諜報部員も、全く冷たいポーズ

だが、どこか違ってしまって、またスパイ映画として「ボンド」を意識したかの女優を投入しても

大味になっていて色も付けられない、映画はぐたぐたなものになってしまって、がっかり・・・。

なのだがこの「第四の核」、ようするに携行可能な核兵器の開発と技術的供与の禁止がメイン

テーマは、この議定書作成が六十六年という年代を知れば、結局核兵器の脅威はそれからず

っと人々を悩まし続けるということになってくる。

で、この映画を思い出したのは、二年前の十月である。

その当時の記事を参照。

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北朝鮮の核実験「どちらかといえば失敗」…米政府

 【ワシントン=坂元隆】米ワシントン・ポスト紙(電子版)が米政府当局者の

話として9日報じたところによると、北朝鮮の核実験場とされる場所からの地

震波は小規模で、実際に核爆発だったのかどうか判断がつきかねるほどだという。

 この当局者は、政府の分析チームは核実験を「どちらかといえば失敗」とみている、と述べた。

 FOXテレビも、米政府高官が、北朝鮮の核爆発が予想より小規模であり、「当初求めていた成

果を達成できなかったのではないか」と述べたことを伝えた。

2006年10月9日18時56分 読売新聞)

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この北朝鮮の地下核実験で、爆発の規模が小さく当初、失敗かと伝えていたが、結局は核実験
実施であるが、放射能の心配はないと、報道されたが、この時、思ったのがこの「第四の核」で、
携行出来る核兵器、で、ソ連崩壊に伴った核弾頭、戦術核の総体数がなく、横流しあるいはどこ
ぞに売り払ったのアングラ情報に触れると、この実験に結び付けて・・・。
日本のオウムもロシアでの暗躍の陰に、携行核兵器の取得があった、らしいとなれば・・・。
で、北朝鮮は一度の核実験実施で、現在にいたるのだが、果たして核兵器の携行化は実現可能
かは、情報がなく分からないが、八十六年時点でも携行化を競っているのであれば・・・。
そしてロシアの暗躍がイギリステレビで報道されたのは一年前くらいである。
放射能物質ポログラムを微量浴びたロシアの元スパイが暗殺されるというショッキングな出来事が、
映像として見せられれば、ソ連崩壊後のロシアもまた逆戻りをしている国家・・・。
すると忘れていたフレデリック・フォーサイスの世界は、いまだ健在でとなる。
携行出来る核兵器では、実際防ぎようがない。
いくらミサイル迎撃を整えようとしても、テロリストの侵入が可能であれば・・・。
実際、日本でも生物科学兵器によるテロが起こっているのである。
平和ボケしていると、「災難は忘れた頃にやって来る」が再び現実になるやも・・・。
と、これまでエントリーを途中でなげていたものを、書き足して完成させた代物で、「空気」的にあって
いないものになっているか、はてサミットが無事終るか・・・。
都心の厳戒態勢に、エントリーしてみる気になったものです。
第四の核(上)/篠原 慎
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                                 といったところで、またのお越しを・・・。