情報捏造の「アサヒる」という語句も、このところは広く親しまれているが、
ことが国家権力による捏造であったなら、という奇想天外な発想から生まれたのが
「カプリコーン・ワン」である。有人火星探査へとナサが打ち上げるロケット「カプリコーン
・ワン」打ち上げ寸前・・・。アポロ十一号の「月面着陸」の真贋も作品の底にあるやなしや
の、サスペンスもアクションもふんだんに盛り込まれた作品。
http://www.youtube.com/watch?v=i0iRh1S-bQI
七十八年公開作
有人火星探査を全世界に向けテレビ中継したが、それが全くの捏造で、
行った筈の人々は、火星に似た砂漠で壮大な嘘演技をするという、わくわくする
ような捏造現場を観客に見せてくれる。
「アポロ十一号」の「本当にアポロは月に行ったのか?」の疑惑が恐ろしくダブる。
この映画、途中までの撮影にナサは全面協力していたが、シノップスを知って
とたんに協力しなくなったというオチもある。
これほどストーリー展開も、また着想も際立って面白い作品はなかなかない。
http://www.youtube.com/watch?v=IPfOhe-WxTc
ラスト・シーン近くの砂漠での追いつ追われつ
テリ・サラバス、エリオット・グールド、ブレンダ・バッカロ、カレン・ブラック等
芸達者にあの後年、妻殺害で起訴されながら無罪になったOJシンプソン
も出ている。
作品としての出来も秀逸だが、やはり「アポロ」を下地にしたそちらについては
疑問を呈するテレビが当のアメリカの番組でもあった。
そしてこの前、日本の月面探査衛星の画像公開に伴ったゲストの元宇宙飛行
士のあやふやな言葉を聞くと、この映画の信憑性が高まった気がしてくる。
もっともこの出来事が、捏造だったとしても「夢」のそれも壮大な夢であったなら
心の「ゆとり」から、笑える事柄に入る・・・。
ところが「アサヒる」の底意地の悪い、あるいは他国の思惑に沿った捏造となると
いささか違ってくる。
伝聞や口実を「信頼」して書をしたためる人を、信用出来ないと同様、裏取りのない
情報は、意味をなさないものだろう。
ゴシップ記事と報道記事では、その正確性に於いて差があって当然である。
それが今般のバラエティーというニュース番組では、「言った者勝ち」的取扱、また
報道記事でも訂正のない真摯さが、欠けて来ている。
私企業での不祥事を取り上げている報道機関が、自らの不祥事には頬かむりでは
私企業の改善なくば倒産と同様、倒産してくれなくては「お前が言うな」が、蔓延して
しまう。理不尽・不条理を正してこそ報道である。そこに「お前が言うな」の突っ込み
が入るようでは、「穴があったら入りたい」心境にならなければ・・・。
まぁ、数年経ち、この映画みたいに「皮肉」満載の映画を作られてからでは・・・。
といったところで、またのお越しを・・・。