狂信的のめりこみ、熱狂的受け入れとか、兎角そういった偏った心情に
人が陥った場合、狂信する人々を否定的に捉えると、「完全排除」の思惑が
否定する人へと向かってくる。
四十年公開作「レベッカ」にも、九十年公開作「ミザリー」にも、この狂信的
人格の女が、空恐ろしいほどの恐怖を、振り撒いた。
http://www.youtube.com/watch?v=Y8nrkMFNvQ4
四十年公開ヒッチコック作品は、モノクロの画面も
「サイコ」同様恐さを伝えるには、もってこいかも知れない。
ここでも狂信的な女が、主人公の新妻を恐怖の底へ落とし込む。
ましてヒッチコックらしく、常に足音も立てず主人公の背後にいる
となると、まるで「幽霊」なのだが、それよりもこの女の狂信的前妻への
忠誠的献身には、空恐ろしいものを感じる。
主人の死をも認めず、あたかも生きていると思い込むように、部屋を整える
様やその座を奪った女への「完全排除」は、見ていて寒気が襲う。
勿論ストーリーも一級のサスペンスで、前妻「レベッカ」の死の真相への探求
は執事の盲信と相まって、どんどん映画を盛り上げる。
にしても、この主人公の清楚で可憐な容姿は「イジメ甲斐」がたっぷりありそう
で、観客もそこらが気に入る要因も・・・。
ラストの豪邸と共に炎に包まれる執事には、「狂信の滅び」が見えて・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=qkzPpaHqM9s
九十年公開、ロブ・ライナー作品。
スティーブン・キング原作の映画化で「スタンド・バイ・ミー」の
のちのコンビ作だが、こちらは「レベッカ」以上の偏執狂の女が
登場する。
何しろ人物でない、妄想あるいは想像上の「小説」の中の人物
に入れ揚げ、その登場人物の死を受け入れずに、作者に変更を
迫るといった、二次元に生きる人々と同じ、「訳わかんねぇ!・・・」
と作者は逃げ惑っているが、そうはいってもいれらない生命の危機に
反撃を試みる。
最終的には、難を逃れるのだが狂信的人格も、献身的な人の扱いと
紙一重なのを、納得させる。
もっともそうそうこういった人が、多かったらたまったものではないが・・・。
と二つの作品のタイムラグは五十年である。
然るに描かれている人物の性格は、その狂信性において同じで、近頃の
報道を見ても、その様は増えることはあっても、減ることのない。
精神世界が荒廃していっている。
狂信といえば「カルト宗教」があるが、どちらの作品にも一人の人物への
「宗教」的側面を見てしまうのは、私だけ?・・・。
といったところで、またのお越しを・・・。
おまけ
http://www.youtube.com/watch?v=BIhMwST-XP4
サイコ・スリラーは、人の狂気を前面に出すから何しろ恐い
その狂信する人々と、普通に暮らす人々の判別は難しい。
もしかしたら、あなたの隣にも・・・。
暗くなる気持ちを、こういった歌声で打ち消すのが最良かも・・・。
八十五年、映画の題名と同じバンド「レベッカ」の「フレンズ」
検索ではこちらの方が先にヒットした・・・。