五十三年公開の西部劇「シェーン」は、フィルムを作り直し七十年に
再び公開された、西部劇のストーリーにおける一つのパターンの原形で
はないだろうか・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=AFquzxwYoeE&mode=related&search =
アラン・ラッドの「シェーン」に対峙する雇われた殺し屋「ウィルソン」の
ジャック・パランスとの決闘シーンは、どう見ても以後のマカロニにも
影響を与え、また西部劇における正義の流れ者というヒーローを作り出した。
そして牧場を守る家族と、一帯を縄張りにしたい悪党一味、「勧善懲悪」の
時代劇がここにある。
それに加味して幼い子供の、流れ者への憧憬と親近感、「シェーン、カムバック」
のセリフは、続く牧歌的音楽「遥かなる山の呼び声」と共に、この作品をより印象
付けた。
そしてワイオミングの山々の雄大さが、アメリカの大きさを見せている。
たまたま見ていたテレビで、昭和三十年代のアメリカ・テレビ映画の特集で、「ラ
ラミー牧場」が視聴率一位だったと知ったが、当時は「ローハイド」しかり「ボナン
ザ」「ライフルマン」「ガンスモーク」「シンシナティ・キッド」しかりと、西部劇も多くテ
レビ放映されていた。(まぁ、知っている人は相当の年寄りだが・・・)
テレビの番組自体も、買って流すしか資金がなかった。
そしてこの頃は、アメリカの戦略として「イメジージ」戦略上、金も要らない無償提
供だから、以後テレビはアメリカに頭が上がらなくなる。
といった時代だった。だけにすんなりアメリカ文化が日本に根付いたものなのだろう。
今では日本語より英語表記の商品も氾濫している。
「今夜は久し振りに、君とロック・ハドソンの「ジャイアンツでも、しみじみ見たい気持ち
だね」・・・、これは森田童子の「センチメンタル通り」の一節だが、自然にアメリカ映画
が歌詞の中に入っている。下にリンクしておくので、聞きたければ・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=1k_zqB3kDbE
自然と横文字に慣れた世代が、「全共闘」で反米だったのには、少々なんだかなぁ
だと思うのだが・・・。
と、過ぎてみれば滑稽でしかなく、生活に入り込んだ文化を拒否出来ないだろう。
だったらどっぷり浸かり、欠点を欠点として見出す方が、よりよい方法だ。
と、映画からそうとう横道にそれたが、この映画の魅力は自然の中での逞しさと
どこでもいざこざはあり、また家族の大切さを流れ者が教えてくれる。
といった、ホーム・ドラマとしても秀逸な作品ではないだろうか。
といったところで、またのお越しを・・・。