日本では「三丁目の夕日」の時期、民族独立に苦しむ「アルジェの戦い」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

昭和三十四年を舞台にした映画「三丁目の夕日」の貧しい日本のそれでも、どこか

ほのぼのした平凡な日常が繰り返されるが、時を同じくした北アフリカの地では、

民族独立の悲願を胸に、民衆が蜂起する。

アルジェリア独立時の混乱と植民地政策に苦しむ民衆の憤りと民族独立機運が、

カスバの街に轟き渡るのが、「三丁目の夕日」と同じ時期なのだ。

アルジェリア独立の抵抗運動十年を描いたのが「アルジェの戦い」である。



alger001


http://www.youtube.com/watch?v=2eSRhlU0yM8

映画の中で描かれている抵抗する民と、探し出すフランス軍との

駆け引きは自分が隠れている民と同化する緊迫感を持っている。


http://www.youtube.com/watch?v=yiaQ5JUkGgc

欧米の横暴の歴史、良く出来た編集だと思う。

ただ昔、欧米、今、中国、アフリカは搾取される大陸なのか・・・。


モノクロの画面が、住民の置かれた立場を良く表現して、緊迫感、臨場感は

エンリオ・モリコーネの音楽と相まって、見ている客にひしひしと伝わった。

北アフリカのアルジェリアを植民地化していたのは、フランスでここではそれ

こそ「ホテル・ルワンダ」の虐殺のそれをフランス軍が行っている。

フランスの圧政に耐えかねた民衆が民族解放戦線を組織し、フランス軍と戦い

を繰り返す。このフランス軍司令官が第二次大戦時はレジスタンスとしてナチス・

ドイツと対峙しているのだが、矛盾を感じていたのか軍命に逆らえずなのか分か

らないが、弾圧は凄まじいものである。

この映画は六十六年「ベネチア映画祭」で金賞を取るのだが、フランス関係者は

一人を除いて退席してしまう。残ったのはフランスワーズ・トリフォーってところは、

映画人として立派である。

この映画、相当参考になるのかイラク戦争開始にあたり、アメリカ・ペンタゴンで

鑑賞会が開かれているってな情報もある。

勿論アメリカが参考にしたのは、フランス軍の解放戦線との対峙の仕方であると

ころは大国主義の驕りだろう。蟻の一撃もライオンを倒すのに・・・。

第一祖国のため、そのプライドが死を恐れさせないものなのだが、理解出来ない

精神構造なのかも・・・。

ちなみにフランス軍と書いたが、あの傭兵部隊「フランス外人部隊」も参加している。

そちらは「名誉と栄光のためでなく」というアラン・ドロンの映画で描かれている。

このドロンの映画、戦闘請負人の戦線はビルマからアルジェアなのだが、そのビルマ

は未だに軍事政権という共産圏の援助を受けているのは、「民族浄化」されてしまうの

ではないかと心配される状況ではないだろうか。

カンポジアの悲劇が、ビルマでも・・・。

平和ボケしている日本は、ノスタルジィーに浸った「三丁目の夕日」にほのぼのする。

不満はないだろうに、未だに「集団自決」「旧日本軍は残虐」などとボケたことを叫ぶ

人々がいても逮捕も拘束もされない幸せな国になったのは、先人の命を掛けた戦い

のお陰なのを知っているのか・・・。

「民族独立」で多くの血を流した「アルジェの戦い」を見ると、日本人で良かったとしみじ

み思う。何しろ「民族独立」に苛まれている国がいまだにあるのだ。



        今夜はどっぷりとノスタルジィーに浸って、テレビを見よう・・・。

                       といったところで、またのお越しを・・・・。