スピルバーグがコメディを撮るとこうなる「1941」 | 流浪の民の囁き

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この映画「1941」は、七十九年公開のスピルバーグ監督作で、主演は後に

「ブルース・ブラザース」で大ヒットを飛ばすジョン・ベルーシ、ダイ・エィクレ

イドである。

もっともこの映画、コメディでもとても毒のあるやつで、まともに見ていたら

中には気分を害する人も出てくるし、笑えないギャクが多い・・・。



1941


http://www.youtube.com/watch?v=JdUCu-A7tgg

主役のジョン・ベルーシの異常な日本憎しに、日本人なら少々イラとくる

のだが、ここでの町の風景に「uso」のネオン・サインで気づく人は、後々

笑えるだろう。「何の事はないウソ、ローマ字読みの日本語」なのだ。

さり気なくトンチを利かすから、さてさてこの映画は公開時、とても不評

であった。笑いの壷がずれているのだ。


http://www.youtube.com/watch?v=_WIiBnIw10Q

狂信的ネオ・ナチを登場させたのは「ブルース・ブラザース」だが、この人

達(スピルバークのお仲間)は、こういう人がとても好きなのだ。

だから何処かに必ず登場させている。

ジョーズの船長しかり、未知との遭遇の電気工しかり、バックフィチャー

の博士しかりってな具合である。

この「1941」は、第二次大戦が起きた三日後の設定で、日本が攻めてくる

の不安が蔓延する田舎町に、本当に日本の潜水艦が登場って、まったく

考えられない設定、日本の潜水艦艦長が三船敏郎で、言葉の分からない

から「ハリウッド」とこの町を勘違いして攻撃、看板一つ壊して大喜びして

そしてあのジョン・べルーシはパニクって、手当たり次第壊しまくりと実際は

日本の攻撃で壊れたものでなく、アメリカのパニックにより壊れていく町って

ブラック・ユーモアを根底に描かれているが、そこは差別用語連発しはちゃめ

ちゃになっていく。そしてラストはホワイト一色になってめでたしだか、ここにも

黒人差別があからさま、で、このコンビは今度は「黒人礼賛」の映画「ブルース

・ブラザース」なのだから、この映画の批判が堪えたのだろう。

にしても毒の入ったお笑いは、一部の人には受け、大部分の人は眉をひそめる

反応だなぁ、ただあのウソに気付けば、日本を差別していないは分かりそうだが

さすがユダヤ人の性格は、複雑怪奇である。

しかし商売上手なところは、さすがユダヤな面目躍如ではある。

「お笑いも色々ある」ただやはりコメディと言われるものは「ジャツク・レモン」の演

じるものや「ビリー・ワイルダー」が演出したものが、良質な「お笑い」だとは思う。

今の日本の「お笑い」が、なんともお話にならない低俗性であるだけに、昔の映画

が懐かしくなってしまう。


                          といったところで、またのお越しを・・・。