「エデンの東」 シ゜ェームス・ディーンの生きた時代 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

死後相当な歳月が流れても、その輝きを失わず語り継がれる人は

世界には沢山いる。勿論偉大な発明家もいれば、思想家もいる。

そんな中で若くして不慮の事故で亡くなったジェームス・ディーンの

名は、残された映像からイメージは固定されて、若者の苦悩と孤独

を色濃く表現して、人気は衰えることなく語り継がれていく。


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http://www.youtube.com/watch?v=cc4TS5dPk98

「エデンの東」 このエリア・カザン監督の作品で、兄弟でありながら

父親から諳んじられる弟役で、孤独と愛に悩む青年を好演し、一躍

注目を集め、当時の若者の代名詞的扱いを受ける。 

http://www.youtube.com/watch?v=uaIq234nL04&mode=related&search =
「理由なき反抗」エデンの延長線上にある役柄を、天性の演技力で

当時の若者の悩み・反抗心を見事に演じ切った。

もっともこの作品と下の作品は、死後公開されたものである。

http://www.youtube.com/watch?v=ol-yVyeKEB4

「ジャイアンツ」これまでの二作と異なり、野望に燃える牧童役は

二作で求めた慈しむ愛をも希求する、野心家でありながら内心は

気の小さい男で、これもものの見事にこなしている。

で、これも死後の公開でアカデミーのノミネートが死後であったのは

ある意味、より彼を記憶に留めるエポックとなった。

若者のいらだち・成長していく過程での不安を演じさせれば、ぴか一

の演技を見せるが、端正な風貌の陰が、どこか寂しげで物憂げである

戦争が終わり、安定的成長に移った社会が、生み出す矛盾に敏感に

反応するのは若者である。

この当時も暴力的側面はあったのだが、今の狂気じみた暴力でなく、

どこかに制御しようとする心の葛藤が見え隠れしている。

もっともこの後は無軌道な若者が増えていき、銃のある世界のいとも

簡単な殺人が頻繁に起こることになり、そしてベトナム戦争に介入して

行く。第二次大戦、そしてすぐに朝鮮戦争、アメリカは常に戦争に二十

年経たずに参戦を繰り返している。

世界の警察を自認している行動なのだろうが、その間にこの五十五年

公開の映画に見られる若者の精神の破綻の兆しを省みることなく、戦

場へ送り出しているのを見ると、帰還兵の麻薬浸りや精神異常の多さも

頷けてしまう。特に「理由なき反抗」のタイトルには、それの予兆があった

気がする。良く「歌は世に連れ、世は歌に連れ」って言葉があるが、映画

も一面、世相を反映している。古い映画にも「温故知新」はある。


                       ではでは・・・、またのお越しを・・・。