邦題の優れた作品「未知との遭遇」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

原題の「第三種近接遭遇」の研究課題みたいな題名より「未知との遭遇」

の邦題は、より興味もを引くし、何より題名から想像する何かに期待が沸いてくる。

で、この七十八年の作品は、圧倒的な色彩感覚と音楽、そしてUFO物体のイメージ

の映像化が、衝撃的でまた実在の地域をより映像的にインパクトのある形にして再現

するから、「宇宙のどこかには、高度な文明の星があり、そこから飛来した」が、現実

感をもって見ていて感じてきてしまう。

それまでトンデモさんのたわ言が、いやそうとも言い切れないと、変化させるインパクト

をこの映画は持っていた。


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http://www.youtube.com/watch?v=oiQse9XibQw

何よりデビル・タワーで良かったかの異様な形状に、そこへの導入部は

これまでの作品のいいところを皆取り入れて、ぐいぐいそこの場所へ主人公

達だけでなく、観客も引き込んでいく演出は見事である。

そしてそこにはマザーシップとの交信を続ける研究者の群れがいて、音による

交信が続けられている。

映画の視線は主人公、リチャード・ドレフィスの目線だから、観客もまるで覗き

込むかのように見てしまう。

そして現れた未知の物体群の飛び回りに驚き、いよいよマザー・シップの登場

ではカメラワークの見事さが遺憾なく発揮される。

登場の仕方もそうだが、撮影力に度肝を抜かれて、実際にいるのではないかと

感じてしまう。

もっともその後の、行方不明者の帰還と、ちらっと映し出される未知の生物には

少なからずがっかりさせられるが・・・。

この映画が公開されるまで、やはり未知の物体写真には眉唾があったが、いや

そうとばかりはいえないぞと、先段でも書いたが見方を変化させる力がこの映画

にはあった。

地球外生物へのロマンも膨らむ作品で、以後色々と変化に富んだ宇宙ものが公

開されていくが、これまでの明らかなファンタジィーの枠を超えていただけに、より

本格的作品が多くなった。

それにしてもスピルバーグは、こういった作品のつくりは一級だ。

もっとも内容となると、電気技師が極端に拘っているのはなぜかとか、普通の主婦が

取り付かれるのはなぜか、など説明不足は否めない。

しかし高度のファンタジィー映画として楽しむのには、相当に完成された作品であった。

折りしも同監督監修の「トランスフォーマー」が今日から公開である。

まぁ、その宣伝を見て「未知との遭遇」を思い出した。

それにしても邦題を考えた人、グッ・ジョプってことで・・・。


                             ではでは・・・。またのお越しを・・・。