どうも。社会に問題があるのに、社会に不満を言う者に対して「社会は悪くない。お前自身に問題がある」と諭す者は、社会変革を望まない既得権益者にとって都合の良い「行儀良さ」を押し付けてくるクソ人間です。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『処女の泉』です。
16世紀スウェーデンの田舎町。豪農のひとり娘カリンは、教会へ向かう途中で3人の羊飼いに出会う。貧しそうな3人に食事を施すカリンだったが、彼らはカリンを強姦した上に殺害してしまう。娘の悲劇を知ったカリンの父テーレは、復讐心から3人を惨殺するが……(映画.comより引用)。1960年製作のスウェーデン映画で、1961年日本公開作品。監督はイングマール・ベルイマンで、出演はマックス・フォン・シドー、ビルギッタ・ヴァルベロイ、グンネル・リンドブロム、ビルギッタ・ペテルソン。
イングマール・ベルイマンが監督した復讐劇です。胸糞ホラー映画『鮮血の美学』の元ネタです。同作を先に観ていたので、話の理解が早かったです。
羊飼い三兄弟に殺されてしまう娘カリン(ビルギッタ・ペテルソン)は無垢というより我がままな世間知らずです。言動や行動にムカつくことはありますが、殺されてスカッとするほど酷くはありません。また羊飼い三兄弟の末弟は幼くて強姦に加担していないにもかかわらず、カリンの父テーレ(マックス・フォン・シドー)に殺されてしまいます。この二点は胸糞ポイントです。
テーレが復讐しても救いがないラストで良かったのに、タイトルどおりの奇跡が起こります。そこは少々残念です。
ベルイマン監督の『第七の封印』と『野いちご』に比べ、本作は分かりやすかったです。それはベルイマンのオリジナル脚本ではないからだと思っています(ベルイマンは脚本下手?)。本作の原作小説を書き、脚色したウラ・イサクソンは女性です。製作当時の時代背景を考慮すれば、女性がレイプの話を書いた本作は衝撃的かつ先鋭的だったと思われるのです。
★★★☆☆(2024年7月2日(火)インターネット配信動画で鑑賞)
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