どうも。秋田県にクマ対策として派遣される自衛隊は、クマ駆除の前線ではなく、猟友会の手伝いなど後方支援に徹します。もしクマに遭遇しても、立ち向かわずに逃げてください。逃げるのは恥ではありません。英雄気取りで立ち向かって命を落とすのが恥です。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『殺人狂時代』です。
冴えない大学講師・桔梗信治は、自宅アパートに侵入してきた見知らぬ男に命を狙われる。男の正体は、人口調節のため無駄な人間を殺すことを目的とする組織「大日本人口調節審議会」が差し向けた殺し屋だった。偶然にも落下したブロンズ像が頭部に当たり殺し屋は死んでしまうが、その後も次々と信治のもとに刺客が送り込まれる。信治は偶然知り合った記者・啓子やコソ泥のビルとともに真相を追うが……(映画.comより引用)。1967年公開作品。監督は岡本喜八で、出演は仲代達矢、団令子、砂塚秀夫、天本英世。
岡本喜八監督によるスラップスティック・サスペンス・コメディー映画です。劇場公開当時は興行成績が大コケしたのに、後年カルト的な高評価を得ています。
仲代達矢の一人二役のような演技の振幅が面白いです。殺し屋たちのクセの凄さ、天本英世の怪演など登場人物のキャラクターが濃過ぎます。そのキャラクター祭り状態をテンポ良く、飽きさせないように展開するのが岡本監督の手腕です。
それにもかかわらず興行成績は振るいませんでした。本作は当初日活で企画されて脚本まで完成したのにボツになったという事情があります。その後、東宝が権利を買い取り、岡本監督がシナリオに手直ししたのが本作です。思うに日活と東宝で映画会社のカラーが異なり、それが作品にも反映されたのが不振の原因ではないでしょうか。東宝の方に上品なイメージがありますから。
クセの凄い殺し屋が登場する映画と言えば、鈴木清順が日活在籍時に監督した『殺しの烙印』です。本作が日活でボツにならず、鈴木監督で映画化していたら、岡本監督版とは一味違うカルト映画が生まれたかもしれません。
★★★☆☆(2025年10月6日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
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