石井輝男監督の洋画パクリ映画 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。現に熊被害に遭っている私にとって、松山ケンイチが熊駆除についての動画を配信したことでローソン不買運動する過激な動物愛護派は、バカもしくはキチガイ、またはバカでキチガイにしか見えません。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『暴力戦士』です。

 

六甲山のロックフェスティバルでトラプルを起こした敵対する二つのグループの男女が東京まで逃げ帰る姿を描く(映画.comより引用)。1979年公開作品。監督は石井輝男で、出演は田中健、岡田奈々、町田政則、貝ノ瀬一夫、今井久、今村薫、杉欣也、大蔵晶、ARB、星正人。

 

ずばり言ってウォリアーズ』のパクリ映画です。東映には『スター・ウォーズ』をパクって『宇宙からのメッセージ』を作った「前科」がありますから。

 

主演は田中健と岡田奈々という分かり易い美男美女です。ロックバンドARBが本人役で出演し、俳優業を始める前の石橋凌の素人っぽい演技を見ることができます。

 

ケン(田中)とマリア(岡田)が手錠で繋がれたまま逃走する設定は、石井輝男監督の代表作『網走番外地』と同じです。同作は『手錠のままの脱獄』のパクリ映画でもあります。ストーリーの早い段階で二人は手錠に繋がれてしまいます。そのため、ケンが喧嘩の強さを発揮する機会がなく、彼がグループのリーダーとして慕われていることの説得力が失われています。

 

本作は若年層を狙って作られたと思われます。しかし、それにしては石井監督が書いた脚本の台詞が古臭いです。新東宝在籍時の地帯シリーズや東映移籍後のギャング映画ならば通用する言語センスであって、当時の若者にも古臭いと思われたでしょう。音楽面でも鏑木創の劇伴とARBの劇中歌に世代間ギャップが生じています。

 

東映は『爆発!暴走遊戯』と『暴走の季節』で岩城滉一を売り出すため、ベテランである石井監督を起用しました。結果的に売り出しは大成功と言えず、石井監督は干され続けます。そして本作を最後に石井監督は東映から去ることになるのでした。

 

★★☆☆☆(2025年9月9日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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