市川雷蔵主演の人気時代劇シリーズ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。「戦没者のおかげで今の私たちの生活がある」なんてオカルトめいたことを言ってはいけません。戦後の復興を支えたのは戦争で亡くなった者ではなく、戦争で生き残った者です。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『眠狂四郎無頼剣』です。

 

白昼、油問屋・彌彦屋に一人の浪人が押し入り、主人と女房と娘を縛り上げると、土蔵から図面のようなものを盗んでいった。事件の裏には江戸を火の海にする暴徒の陰謀があった。そんななか、眠狂四郎は流派も同じ円月殺法の使い手・愛染に遭遇する(Filmarksより引用)。1966年公開作品。監督は三隅研次で、出演は市川雷蔵、天知茂、藤村志保、工藤堅太郎、島田竜三、遠藤辰雄、上野山功一、香川良介、永田靖。

 

市川雷蔵がニヒルな凄腕浪人の眠狂四郎役を演じる人気時代劇シリーズ第8作です。『王将』などで知られる名監督の伊藤大輔が脚本を書いています。

 

今回の敵役は天知茂が演じるテロリスト浪人の愛染(あいぜん)です。愛染は狂四郎と同じ円月殺法の使い手であり、ニヒルなキャラクターも同じです。そのキャラ被りを避けるため、狂四郎のダークヒーローらしさを薄めています。

 

このダークヒーローらしさが薄い狂四郎像は、原作者の柴田錬三郎の不評を買ったそうです。しかし雷蔵と天知を同じ土俵に立たせると、根っからのニヒルキャラである天知に軍配が上がってしまうので、あえて雷蔵を退かせたと解することができます。因みに雷蔵が亡くなった後、天知に狂四郎役のオファーが来たけど、断ったというエピソードまであります。

 

そうした批判があっても、大塩平八郎の乱と天保の大火という史実を絡めたストーリーと、三隅監督らしいキレのある殺陣は十分に面白いです。それでも本作は狂四郎を主人公としなくても成立するのではないかという疑念はあるのです。

 

★★★☆☆(2025年7月18日(金)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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