どうも。ドナルド・トランプ大統領は不法移民対策としてアルカトラズ刑務所の再開を指示したそうです。刑務所と言ったらアルカトラズなんて発想が古臭いおじいちゃんですね。いつの時代の話だよ。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『富夫』です。
結婚の約束をした恋人・まどかを連れ、富夫は占いの館を訪れた。彼はそこで出会った美しい年上の女性に魅了され、誘惑されるままに関係を結んでしまう。そして占い師は、富夫に「あなたの首が欲しい」言い出す。彼女の目的は首をコレクションすることだった(Filmarksより引用)。2011年公開作品。監督は伊藤潤二で、出演は古川雄輝、木口亜矢、小祝麻里亜、税所伊久磨、池田佳史。
『富江』シリーズを代表作とする漫画家、伊藤潤二が自作を監督したホラー映画です。原作ファンが実写化作品に対して厳しく批判する「原作レイプ」問題は、本作については生じようがありません。何故なら原作者本人が監督して、自らのイメージを映像化したものだからです。原作ファンが原作者より優れていることはあり得ません。
主人公の富夫(古川雄輝)が医者を探して街を彷徨うのは、つげ義春の漫画『ねじ式』。富夫が両手で首を持つのは古典落語の『首提灯』。呪いが血液で伝染するのは吸血鬼物やゾンビ物。多様な作品の要素をコラージュしながら、笑いと紙一重の不条理な世界が展開していきます。
伊藤作品の実写化においては、独特なビジュアルを再現するのに苦心したのが見えてきます。本作では、『東京残酷警察』の西村喜廣の特殊メイクによって富夫の首の切断面を表現しています。デジタルなCGに依らず、アナログな特殊メイクにすることで生々しいグロさが生じています。
伊藤作品の多くが短編漫画であることに合わせたのか、本作は上映時間60分という短さです。初監督の稚拙さを見せないためにも、この短さで良かったと言えるのです。
★★★☆☆(2025年3月26日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
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