【映画評】獣人島 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。元は「ネット右翼」という意味だったネトウヨという単語が「ダサくてキモいバカ」という意味に変化するから、言葉って面白いものですね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『獣人島』です。

 

航海中に遭難した男が上陸したのは、マッドサイエンティストのモロー博士が獣人たちを支配する島だった。1933年製作のアメリカ映画で、日本劇場未公開作品。監督はアール・C・ケントンで、出演はチャールズ・ロートン、リチャード・アーレン、レイラ・ハイアムズ、ベラ・ルゴシ、キャスリーン・バーク、駒井哲。

 

H・G・ウェルズの小説『モロー博士の島』を映画化したSF映画です。本作の後、同原作小説は二度映画化されました。

 

半分獣である獣人たちは、今見るとチープなメイクを施されています。その獣人たちの中に『魔人ドラキュラ』のベラ・ルゴシや日本人俳優の駒井哲がいて、何だか扱いが悪いです。

 

獣人たちのメイクや獣らしい動きを見ていると、石井輝男監督のカルト作江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』への影響が感じられます。同作もマッドサイエンティストが奇形人間たちを支配する孤島の話ですから。

 

獣を人間に改造して創造主になろうとするモロー博士は、『フランケンシュタイン』のフランケンシュタイン博士の姿に重なります。どちらの博士も創造主=神になろうとする傲慢によって破滅への道を歩むからです。

 

支配者であるモロー博士が獣人の一人に掟を破るように唆すことで掟は無効化し、島の秩序が崩壊します。為政者が法を軽視して法を破っても罰せられなければ、法が無効化して秩序は崩壊します。本作が示唆するものは現代の現実社会にも通用するのです。

 

★★★☆☆(2024年12月17日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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