【映画評】猟奇エロチカ肉だるま | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。性的に減退する年代の男性(ドナルド・トランプとか百田尚樹とか松本人志とか)ほど女性に対して支配的であろうと振舞う現象に名前はありますかね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『猟奇エロチカ肉だるま』です。

 

アダルトビデオ撮影に参加した男女が騙されて監督たちに殺害される。1998年公開のアダルトビデオ作品。監督と出演は穴瑠玉狂で、出演は大場加奈子、きくりん、北野雄二。

 

アロマ企画によるスプラッターアダルトビデオです。劇場用映画ではありませんが、ここしばらく鑑賞してきた「ギニーピッグ」シリーズとの関連で取り上げます。

 

監督の名前は穴瑠玉狂(あなる・たまきち)です。漫画『みどりのマキバオー』における「うんこたれ蔵」に匹敵するネーミングです。絶対に付けられたくない名前です。

 

ネーミングについては、主演女優である大場加奈子に「大バカな子」という意味があるように思われます。結局騙されて殺されてしまうのですから。

 

本作はアダルトビデオ撮影現場のドキュメンタリーであるかのように話が進んで行きます。しかし、NG無しで契約したはずの女優(大場)がSMプレイを拒否したことによって、キレた監督(穴瑠)は女優の頭部をバットで殴打します。そして薬物によって痛覚を麻痺させられた女優は四肢を切断され、「肉だるま」にされてしまいます。その女優との屍姦プレイを強要された男優(きくりん)も監督に殺害され、睾丸を摘出されてしまいます。

 

勿論本作の人体損傷シーンは作り物です。映画に比べて低予算のアダルトビデオでありながらリアルな出来に見えます。ビデオカメラ撮影による画質の悪さが細部の粗さをカバーしているからです。もし画質の良いデジタルカメラで撮れば、すぐに作り物だとバレるでしょう。

 

本作の冒頭と終盤で、監督が何者かと携帯電話で会話するシーンがあります。その会話の内容はスナッフフィルム(本物の殺人現場を撮影した映画)の制作についてです。すなわち監督は衝動的に男女を殺害したのではなく、初めからスナッフフィルムを撮影する意図があって殺害したのです。殺害された男女はノーマルなアダルトビデオだと思って出演したのですから、監督に騙されたのです。

 

数年前、AV出演被害防止・救済法が施行されました。アダルトビデオ出演被害の防止を図り、被害者を救済するための法律です。この法律に一定の効果はあるのでしょうが、本作を観せれば、もっと効果があるようにも思われます。誰だって騙されて殺されるのは嫌ですから。

 

かつての「ギニーピッグ」シリーズはスナッフフィルム風の作品を目指していました。その目標を達成したのが本作です。同シリーズは東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件と関連づけられたことによって、いわくつきの作品になりました。本作もまた主演の大場がビデオ発売される前日に電車飛び込み自殺したという事実によって、いわくつきの作品になったのです。

 

★★☆☆☆(2024年10月4日(金)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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