【映画評】俺に賭けた奴ら | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。改革を掲げてパワハラ的話法を弄する石丸伸二は「シン・橋下徹」です。橋下の政治家時代を知らない10代・20代が石丸を支持するのは仕方ないとして、40代以上が石丸を支持するのは人を見る目の無さと学習能力不足でしかないのです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『俺に賭けた奴ら』です。

 

若きボクサーがギャングたちの賭博のために八百長試合を持ち掛けられる。1962年公開作品。監督は鈴木清順で、出演は和田浩治、川地民夫、葉山良二、南田洋子、白木マリ、清水まゆみ、高品格、佐野浅夫、青木富夫、弘松三郎、木浦佑三。

 

日活在籍時の鈴木清順が監督したボクシング映画です。『百万弗を叩き出せ』でも組んだ和田浩治が主演で、若手の藤竜也と中尾彬が脇役で出演しています。

 

奇抜な構図、原色を用いた美術セット、ジャンプカット気味な編集など、いわゆる清順美学が表れています。この傾向は本作の次に監督した『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』から、日活をクビになるほど進化していきます。

 

ボクシングは対戦相手のみならず自分自身との闘いでもあります。それ故にボクシング映画はボクサーの心理的内面を描くものが多めです。本作もボクサーである主人公から見た世界を描くので、『俺に賭けた奴ら』というタイトルは適当です。

 

その「奴ら」の中で注目すべきはコーチ役の高品格です。プロボクサーから俳優に転身した高品だから、ボクサーの心理とボクシング界の内幕を出演者の誰よりも理解しています。元ボクサーであるコーチが心情を吐露するシーンでは、真に迫った演技を見せます。高品のベストワークが『麻雀放浪記』の出目徳役であるのは揺るぎないところですが、本作の演技も素晴らしいものがあるのです。

 

★★★☆☆(2024年5月16日(木)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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