【映画評】座頭市関所破り | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。人気者が不祥事を起こせば「あいつは悪い奴だと思って信用していなかった」と言い、したり顔の後出しジャンケンで掌返しする人間こそ信用できません。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『座頭市関所破り』です。

 

旅人から手紙を預かり、笠間の宿場町を訪れた座頭市が代官と地元ヤクザの陰謀を知る。1964年公開作品。監督は安田公義で、出演は勝新太郎、高田美和、平幹二朗、滝瑛子、河野秋武、伊井友三郎、千波丈太郎、上田吉二郎、中田ダイマル、中田ラケット。

 

勝新太郎主演の人気時代劇シリーズ第9作です。劇中の設定が年の瀬で、1964年12月30日に劇場公開するという興行上の趣向が凝らされています。

 

「爆笑王」と呼ばれた漫才コンビである中田ダイマル・ラケットが江戸時代の漫才師役で出演しています。娯楽映画として間違っていないキャスティングと演出です。今時M-1チャンピオンが映画やテレビドラマの劇中で漫才をすれば、ネットでゴチャゴチャ書かれるでしょう。嫌な時代になったものです。

 

大まかなストーリー展開は他のシリーズ作品と変わりありません。それでも観る者の興味を保つことができるのは、演者と裏方の力量によるものでしょう。

 

終盤では除夜の鐘の音が鳴る中、座頭市が代官の手下やヤクザを斬殺します。市井の庶民が平和に年越しするのに対し、座頭市は殺伐とした状況にあります。煩悩に囚われた罪深き者たちを始末した座頭市は、傷ついた体で妙義山へ向かい、初日の出を拝みます。盲目の座頭市に初日の出は見えませんが、その御来光は彼の背負った苦しみを浄化するかのようです。

 

★★★☆☆(2024年2月13日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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