【映画評】キートンのセブン・チャンス | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。日本で聖人君子のごとく偉人化されている大谷翔平が、ある日突然、金髪に鼻ピアスでタトゥー入れまくりの外見に変わったら面白いですね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『キートンのセブン・チャンス』です。

 

指定された時刻までに結婚できれば、700万ドルの遺産を相続させるという伯父の遺言状を受け取ったジェームズは、花嫁探しに奔走する。1926年日本公開作品。監督と主演はバスター・キートンで、出演はT・ロイ・バーンズ、スニッツ・エドワーズ、ルース・ドワイアー。

 

バスター・キートンが監督と製作と主演を兼任した白黒サイレント喜劇です。公開当時の邦題は『キートンの栃麺棒』でした。栃麺棒とは女房や奥さんのことを意味します。

 

キートンは本作で編集も兼任しています。本作のようなドタバタ喜劇において、テンポの良い展開は重要であり、その展開を生む編集作業を他人に任せたくなかったのでしょう。喜劇専門の監督ではない北野武も自作の編集権を手放しません。それほど映画において編集は重要な作業です。

 

本作の見所は、花嫁募集の新聞広告を見て集まった花嫁候補の大群に追いかけられるジェームズ(キートン)の逃走劇です。途中で体を張ったアクションを見せながら、無表情で走り続けるキートンのスタイルは、後にジャッキー・チェンやトム・クルーズに継承されます。

 

キートンが過激なアクションに挑んだのは、サイレント映画ゆえの肉体表現であると考えられます。1世紀近くも前の映画ですが、本作並みの肉体表現を見せる映画は、それほど多くないのです。

 

★★★☆☆(2023年11月27日(月)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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