【映画評】善魔 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。「前原誠司議員が離党(6年ぶり4度目)」と書けば、高校野球みたいです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『善魔』です。

 

新聞社の編集部長・中沼は、かつて想いを寄せていた政治家の妻・伊都子の失踪事件を追うよう、部下の三國に命じた。三國は記事にしないことを約束に、親友の家に隠れていた伊都子の取材に成功し、同時に彼女の妹・三香子と恋に落ちるのだが……(DVD商品説明文より引用)。1951年公開作品。監督は木下恵介で、出演は森雅之、淡島千景、桂木洋子、三國連太郎、小林トシ子、笠智衆、千田是也。

 

岸田國士の原作を木下恵介が監督した作品です。三國連太郎のデビュー作であり、三國は本作の役名をそのまま芸名にしました。

 

若い記者役を演じる三國は新人離れした演技を見せます。それに対し、三國の上司役を演じる森雅之は負けじと大人の演技巧者ぶりを見せます。森は台詞を発さずとも、煙草の喫い方で心情を表現します。映画やテレビドラマで喫煙シーンが制限される現在、失われつつあるテクニックです。

 

本作には同年に公開された『カルメン故郷に帰る』と同じく、都会と田舎を対比する構造になっています。また、善きことに執着して突っ走る若者と、悪しきことと知りながら手を染めざるを得ない大人を対比する構造にもなっています。

 

この二つの対比構造を交錯させることによって、物語を重層的にするのが本作なのです。

 

★★★☆☆(2023年11月11日(土)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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