どうも。旧ジャニーズ事務所が大晦日恒例のカウントダウンコンサートを今年も開催することに反対する意見があります。しかしジャニーズの「葬式」として行い、収益をジャニー喜多川による性被害者救済に充てるならば、開催するのはありです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『毛の生えた拳銃』です。
主人公の司郎は恋人をある組織に襲われる。司郎はその組織への復讐するため、ボスを刺し、その手下を撃った。組織は高と商の殺し屋2人組を雇い、司郎への血の報復を命令する。殺し屋2人組は司郎を狙うが、あろうことか徐々に狙う者と狙われる者との交流が深まっていく……(DVDの商品説明より引用)。1968年公開作品。監督は大和屋竺で、出演は麿赤兒、大久保鷹、林美樹、山谷初男、吉沢健。
若松プロダクション製作の大和屋竺監督作品です。大和屋は「大山村人」名義で脚本も兼任しています。
別題が『犯す』であることから、ピンク映画として劇場公開されたのでしょう。しかし、当時の観客の期待を裏切るかのように、本作は大和屋が得意とする殺し屋物です。
大和屋の殺し屋物らしく、麿赤兒と大久保鷹が演じる殺し屋二人の日常をシュールかつ脱力的に描いています。殺し屋に会ったことがある人は少ないので、本作の描写がリアルではないと断言できる人も少ないはずです。
組織に雇われた殺し屋二人は司郎(吉沢健)の命を狙います。しかし二人は司郎に対して特別な感情を抱き始めます。その感情は恋愛感情に近くもあり、だからタイトルの「毛の生えた拳銃」は男性器の象徴であり、本作がBL(ボーイズラブ)物に思えてきます。
終盤で組織に逆らう二人の心中で司郎の存在は、より大きく理想化されます。そのため司郎は実在しないという解釈すら生じます。そう思わせるのが大和屋のテクニックなのです。
★★☆☆☆(2023年10月15日(日)インターネット配信動画で鑑賞)
にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)
