【映画評】昆虫大戦争 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。ガザ地区の在留邦人を自国の輸送機に乗せてくれた韓国に対して、嫌韓派はいつもどおりにヘイトスピーチできますか。どうせダンマリを決め込むでしょうね。嫌韓派は頭と心が弱い無能ですから。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『昆虫大戦争』です。

 

米国の爆撃機が日本近海の島に不時着した。搭載していた核爆弾を回収するため米軍の捜索隊が島に上陸、そこで彼らは、人間を襲う昆虫の群れに遭遇する……(allcinemaより引用)。1968年公開作品。監督は二本松嘉瑞で、出演は園井啓介、川津祐介、新藤恵美、園江梨子、瞳麗子、キャシイ・ホーラン、チコ・ローランド、ロルフ・ジェッサー、上田忠孝、市村俊幸。

 

松竹では珍しいSF特撮映画です。監督は、これまた松竹では珍しい怪獣特撮映画『宇宙大怪獣ギララ』の二本松嘉瑞です。

 

若き日の川津祐介が格好いいです。川津は猛毒蜂に襲われるシーンで、本当にミツバチを体に這わせる熱演を見せています。

 

日本人俳優だけでなく、外国人俳優も出演する国際派映画です。外国人俳優の台詞は全て吹替えであり、米兵チャーリー(チコ・ローランド)の吹替えは『ドラえもん』でジャイアン役を演じた、たてかべ和也です。

 

ゴジラ』がそうであるように、本作にも戦争の影があります。しかもヨーロッパでの第二次世界大戦、日米の太平洋戦争、当時交戦中のベトナム戦争の三本立てです。これらが登場人物の人生を狂わせます。

 

本作では、猛毒蜂の大群が人類滅亡の危機を生じさせます。アルフレッド・ヒッチコックの『』では、凶暴化した鳥の大群が人類滅亡の危機を生じさせます。現実では、蜂、鳥よりも小さなウィルスによって人類が世界的パニックになったことが記憶に新しいところです。

 

ラストシーンには未来への希望を残しながらも『吸血鬼ゴケミドロ』のような絶望感があります。核兵器で強引に幕引きを図る点は『バタリアン』に似ています。

 

本作の根底には東西冷戦下における核兵器への恐怖があります。黒澤明は、その恐怖を真正面から『生きものの記録』で描きました。人類を滅亡させる核兵器に対して恐怖心を抱くのが人間として健全であり、福島第一原発から放出される汚染水に対して恐怖心を抱かないのは人間として不健全でしかないのです。

 

★★★☆☆(2023年9月21日(木)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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