どうも。IMALUは東京と奄美大島の二拠点生活をしています。父が明石家さんまなのに、ライフスタイルは島田紳助に近いのですね。でも二拠点生活って素敵やん。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『狂走情死考』です。
左翼活動家の青年が警察官の兄と口論になる中、兄の妻である義姉が銃を暴発させ、兄を殺してしまう。青年と義姉は北へ北へと逃れていく。1969年公開のピンク映画。監督は若松孝二で、出演は武藤洋子、吉澤健、山谷初男、戸浦六宏。
低予算のピンク映画では珍しいロードムービー形式の作品です。ロケ地は主に東北地方で、撮影時期が大島渚監督の『少年』と重なっていました。双方の撮影チームは合流して酒宴を開いたというエピソードがあります。
冒頭のデモ隊と機動隊の衝突シーンで本物の映像が使用されています。この現実と虚構が入り混じる手法は、後の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』でも活かされています。
逃走の旅の途中、東北の寒村で村人たちから暴行を受ける女の姿を見ます。その村には村外の男と駆け落ちしようとした女に厳罰を下す理不尽な村の掟があり、その厳罰を執行中の場面です。この迷信じみた村の掟は自由な恋愛やセックスを抑圧する、ミソジニー(女性憎悪)な日本社会の同調圧力を模しています。
故郷である北の果てに着いた二人を待っていたのは意外な人物です。本作の結末を見て、こう思いました。青年ら活動家たちにとって真の敵は封建的で家父長制的なミソジニーです。彼らがそれに敗北したのは、己が弱かったからなのです。
★★★☆☆(2023年7月7日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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