どうも。住民票は当人がそこに住んでいることを表す本人確認のためにあります。「マイナンバーカードは住民票発行に便利!」という利点は、本人確認のためにあるマイナンバーカードで本人確認のためにある住民票という紙切れを発行することです。マイナンバー(カード)のみで本人確認できるシステムの確立こそ真の意味で行政のデジタル化ですけどね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『電光空手打ち』です。
大正時代、沖縄で空手道を追求する若者の姿を描く。1956年公開作品。監督は津田不二夫で、出演は高倉健、浦里はるみ、藤里まゆみ、山形勲、神田隆、佐々木孝丸、加藤嘉、岩城力。
高倉健の映画デビュー作で、同時公開の『流星空手打ち』と二部作になっています。
高倉の風貌は太宰治に似た文学青年のようです。その高倉が任侠映画路線になると、三島由紀夫に似たマッチョに変貌します。その頃と本作の頃を比較すれば、見た目が変わっても高倉の演技力は一貫して変わらないことに気付くでしょう。
『續姿三四郎』において柔道家が善玉の主人公で、空手家が悪玉であったのに対し、本作は空手家を善玉の主人公にしています。主人公の忍勇作が師事する名越義仙は実在した船越義珍がモデルであり、文部省主催の運動体育展覧会の件などは史実に即しています。本作には空手愛があります(しかし、後に沖縄ルーツの空手流派を「空手ダンス」と批判した極真空手の大山倍達を主人公にした『けんか空手 極真拳』『けんか空手 極真無頼拳』『空手バカ一代』を作った東映の商魂は大したものです)。
名越が説く「空手に先手なし」は専守防衛どころか、攻撃を一切しない徹底した非暴力反戦平和思想であり、それが沖縄を舞台にして描かれる本作は、現代の情勢からすれば意義深いものになってしまっているのです。
★★☆☆☆(2023年5月27日(土)インターネット配信動画で鑑賞)
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