どうも。武器補給という形でロシアの首根っこを掴んだ中国は、意外とウクライナとの手打ちを企んでいるのかもしれません。もし成功したら、「アメリカとEUが止められなかった戦争を我々が止めた!」と豪語しそうです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『キャット・ピープル』です。
豹に変身する事を恐れ、夫の愛を素直に受け止めることができず苦悩にするイレーヌは、やがてその呪われた宿命ゆえの悲劇を巻き起こすことになる……(Yahoo!映画より引用)。1942年製作のアメリカ映画で、1988年日本公開作品。監督はジャック・ターナーで、出演はシモーヌ・シモン、ケント・スミス、トム・コンウェイ、ジェーン・ランドルフ、ジャック・ホルト。
RKO製作の怪奇映画です。低予算で制作されたそうですが、同時期の日本映画より余裕がある出来になっています。
本作はモノクロ映画で、その黒い部分=影を恐怖演出に用いています。加えて特殊メイクなどによって豹(化け猫?)への変身シーンを撮らず、変身した豹の姿をはっきりと映さないセンスは、粋でスタイリッシュです(近頃の何でもVFXを駆使して映像化するのは野暮ったくもあります)。
イレーヌ(シモーヌ・シモン)が豹に変身して危害を加えるから、自分は男性を愛せないと思い込むことには、『シザーハンズ』のエドワードに通じる哀しさがあります。イレーヌは血筋による差別を内在した、強い思い込みによって自分を窮地に追い込み、悲劇的な末路を辿ります。
血筋による差別は現代の日本社会にもあります。潜在している部落差別、民族差別、障害者差別が醜悪な形で表面化することはあります。それらの血筋による差別が破滅的な結末しか生まないことは、本作を観れば分かりそうですけどね。
★★★☆☆(2023年3月8日(水)DVD鑑賞)
にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)