【映画評】監獄人別帳 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。民意が正確に反映された国会は日本社会の縮図になります。ガーシーに投票した一定数のバカが日本社会にいる限り、ガーシーの議席に存在理由があります。それが民主主義の徹底です。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『監獄人別帳』です。

 

舞台は、雪深い北海道・網走。手錠につながれた二組の男たちと一組の男女が、零下二十度の大雪原に逃れ出た。それを追う騎馬隊とスキー隊。拳銃が、ライフルが、そして日本刀が、純白の荒野の上を血で赤く染めていく(東映ビデオオフィシャルサイトより引用)。1970年公開作品。監督は石井輝男で、出演は渡瀬恒彦、伊吹吾郎、清川虹子、賀川雪絵、荒木一郎、大辻伺郎、尾藤イサオ、上田吉二郎、大泉滉、内田良平、嵐寛寿郎、佐藤允。

 

石井輝男監督&渡瀬恒彦主演の「人別帳」シリーズ第2作です。第3作『〇〇人別帳』がないので、本作でシリーズ打ち切りということでしょう。

 

作品の舞台が網走、渡瀬が歌う主題歌『獄監ブルース』の曲調、鬼寅の親分(嵐寛寿郎)の登場、手錠のままで脱獄など石井監督が網走番外地』のセルフリメイクをしたかのような作品になっています。同作の主演は高倉健です。そこまでして東映は渡瀬を「第二の高倉健」にしたかったのでしょうか。

 

しかし、ただのセルフリメイクではありません。異常性愛路線を経た石井監督は女囚物というエロ要素鮮血が飛び散るスプラッター描写を取り入れ、時代の流れに合わせようとしています。

 

石井監督が単なるエログロ好きではないことは、終盤のアクションシーンをスピーディーに展開させるテクニックで分かります。そして、たくさんの人々が死傷したにもかかわらず、清々しく感動狙いのラストにしてしまう狂気じみた力業も石井監督の凄さなのです。

 

★★★☆☆(2023年2月1日(水)DVD鑑賞)

 

 

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