どうも。野党(国民民主、共産、れいわ)が2月から提案していたのを自民と公明が手柄泥棒した一律10万円給付は、決して自粛に耐えている従順な国民に対する安倍さんからのご褒美などではありません。「いちゃもん」や「揚げ足取り」などとポチ愚民から罵られながらも、己の健康と生活を守るために怒りを込めて政策批判の声を上げてきた良民の努力によって、無能な政府から奪還できた税金なのです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『殺人!』です。
仲間の俳優が殺害された現場にいた女優の無実を信じ、陪審員の一人であった有名俳優が事件を追及するミステリー。1930年製作のイギリス映画で、1994年日本公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はハーバート・マーシャル、ノラ・ベアリング、フィリス・コンスタム、エドワード・チャップマン、マイルズ・マンダー、エスメ・パーシー。
まだイギリスで活動していた頃のアルフレッド・ヒッチコック監督作品です。長回しカットと短いカットを効果的に織り交ぜる編集によって、観客の心情を煽る演出術を駆使しています。
有名俳優のサー・ジョン(ハーバート・マーシャル)は、殺人の容疑をかけられた女優ダイアナ(ノラ・ベアリング)の陪審員の一人になります。ジョンはダイアナを無罪と主張しましたが、他の陪審員の偏見や思い込みに基づく有罪主張の圧力に屈してしまいます。ヒッチコック監督は有罪を主張する陪審員の顔を短いカットで繋ぎ、ジョンにかけられた精神的圧力を観客にも体感できる演出を用いています。
このシーンを観ると、裁判官という専門家の知見より、陪審員という素人の浅はかな感情を重視する陪審制はクソでしかないと思えてきます。
ダイアナの無実を信じるジョンは、彼女と同じ劇団にいるマーカム夫妻(エドワード・チャップマン、フィリス・コンスタム)の協力を得て、事件の真相を探ります。こうした謎解きミステリー形式は、ヒッチコック作品としては珍しい部類に入ります。
物語の結末まで観ると、本作において重要な登場人物は皆俳優だと気付きます。サー・ジョンもダイアナもマーカス夫妻も、そして……。陪審制の茶番ぶりも含め、この世は芝居みたいなものという価値観が本作から見えてくるのです。
★★☆☆☆(2020年4月10日(金)DVD鑑賞)
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