どうも。安倍晋三首相が「新型コロナウィルス感染拡大は1ヶ月もすれば終息する」と言えば、その言葉に合わせて厚労省官僚がデータを改竄するのでしょうね。彼らの得意技ですもの。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ポルノ・チャンチャカチャン』です。
万年課長の福田は粗チンの持主であったが、情事の最中に、こっそりサポーターにつけた大きなハリ形を使い女房をリードして事無きを得ている生活。 一方、部下の田中は、巨大な男根の持主だった…(日活ロマンポルノ公式サイトより引用) 。1978年公開の日活ロマンポルノ作品。監督は山本晋也で、出演は原悦子、橘雪子、ひろみ麻耶、テイミー杉本、久保新二、神原明彦、たこ八郎。
配給は日活ですが、制作は電影商事とあるので、日活ロマンポルノというよりピンク映画に近いです。音楽で例えれば、日活ロマンポルノがメジャーで、ピンク映画がインディーズです。しかし、後年の日活ロマンポルノは予算などの製作規模が縮小し、インディーズ化しましたが。
タイトルの元ネタは、平野雅昭の『演歌チャンチャカチャン』です。ヒットした演歌を強引にメドレーにした元ネタに倣って、本作では劇中に流行歌の替え歌が挿入されます。その歌詞は公共の電波に乗せられないレベルです。布施明の『シクラメンのかほり』の歌詞を「桜色したクリ〇〇スほど触りたいものはない~♪」とするセンスに、昔の『北野ファンクラブ』を思い出しました。
主人公の田中(久保新二)が新妻(原悦子)との初夜を迎えるに当たって、ソープ嬢を病院送りにするほどの巨根の持ち主ゆえに悩む話に異星人の思惑が絡みます。その異星人が地球人に成りすました姿を、たこ八郎が演じます。スーツ姿に黒のサングラスをかけただけで笑えてしまう、たこさんは天才ではないでしょうか。
ポルノ映画にSF要素を入れるという娯楽精神は、山本晋也から弟子の滝田洋二郎(『陰陽師』や『おくりびと』など)に継承されています。滝田監督の『痴漢電車 下着検札』では、ポルノ映画にミステリーや特撮の要素まで入れているからです。同作での膣内視点からの映像も、山本監督が本作で先に用いています。
田中が巨根で悩むのに対し、上司の福田(神原明彦)は短小で悩みます(田中と福田のネーミングは、当時の角福戦争が元ネタでしょう)。本作では、そうした性器の大きさで悩む男たちを馬鹿馬鹿しく描き、しかも最後には男女の愛に性器の大きさは関係ないというメッセージを発します。ふざけたことばかりしていた人が、不意に良心的な言葉を発すると、そのギャップで心に響くものです。
★★☆☆☆(2020年3月27日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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