【映画評】ジュノーと孔雀 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。新型コロナウィルスの経済対策で現金給付を求めるのは、国民が政府に納めていた税金を「お前らよりもっとマシな使い方してやる」と取り戻すことです。決して「慈悲深い安倍晋三様からの施し」を受けることではありません。そういう奴隷根性の持ち主は日本を出て行って、北朝鮮にでも行ってください。お似合いですよ。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ジュノーと孔雀』です。

 

アイルランド内戦時、娘の婚約者である弁護士に騙された一家が転落していく悲劇。1930年製作のイギリス映画で、日本劇場未公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はサラ・オールグッド、エドワード・チャップマン、ジョン・ローリー、キャスリーン・オレーガン、メイア・オニール、シドニー・モーガン。

 

アルフレッド・ヒッチコックがイギリス時代に監督したトーキー映画です。原作が舞台劇なので、台詞が多めです。また、内戦中で治安が悪いので、機関銃の発射音が何度も劇中に挿入され、それが殺伐さや不安感を煽ります。トーキーという新技術を手に入れたヒッチコック監督は、音を用いた演出を試してみたかったのかもしれません。

 

邦題の「孔雀」は“Paycock”の和訳です。“Paycock”は“Peacock”を基にした俗語で、「他人の金で綺麗に着飾った者」を意味します。ジュノー(サラ・オールグッド)の夫ジョン(エドワード・チャップマン)の見栄っ張りな性格を、パブのオーナーであるメイジー(メイア・オニール)が罵倒するシーンに出てくる言葉です。

 

前半では、ジョンとジョクサー(シドニー・モーガン)のダメっぷりや、ジョンが親戚から高額の遺産を相続することで浮かれる一家の様子が喜劇的に描かれます。ところが後半では、ジョンの遺産相続の話は嘘で、その話を持ってきた弁護士チャールズ(ジョン・ロングデン)は娘メアリー(キャスリーン・オレーガン)を妊娠させて逃げ、内戦でPTSD状態の息子ジョニー(ジョン・ローリー)は拉致されて殺害されるという悲劇に転調します。この後半のダークな展開にヒッチコックらしさを見ることができます。

 

しかし、原作が舞台劇ゆえに、ワンルームという限定的空間で演者中心の長回し撮影をしているシーンが多いので、ヒッチコックらしいカット割りのテクニックを見ることはできません。それでも本作で舞台劇の映画化を監督した経験は、後に『ロープ』の演出で活かされるのです。

 

★★★☆☆(2020年3月9日(月)DVD鑑賞)

 

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)