どうも。「日本殺すにゃ ミサイル要らぬ 安倍がトップで あればいい」という都々逸。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『この子の七つのお祝いに』です。
戦後の混乱によって人生の歯車を狂わされた女の悲惨な一生とその復讐を描く(映画.comより引用)。1982年公開作品。監督は増村保造で、出演は岩下志麻、根津甚八、辺見マリ、畑中葉子、中原ひとみ、芦田伸介、岸田今日子、坂上二郎、室田日出男、名古屋章、戸浦六宏、小林稔侍、村井国夫、神山繁、杉浦直樹。
原作小説は斎藤澪の第1回横溝正史賞受賞作です。同賞が角川書店主催なので、本作は角川春樹が「『犬神家の一族』の夢をもう一度!」という思いで製作したのでしょう。しかし、併映作の『蒲田行進曲』が高く評価されたことにより、陰に隠れた作品になってしまいました。
劇中で最初に殺される被害者役を、畑中葉子が演じています。畑中だけに凶器で「後から前から」刺されます。死体になってからは、おっぱいポロリのサービスもあります。ナイスですね~(村西とおるは関係ありません)。
監督を務める増村保造は、本作が最後の映画作品になりました。増村監督は大映出身で、テレビドラマでは、「赤いシリーズ」や『スチュワーデス物語』など大映ドラマの演出や脚本を手掛けました。増村作品では、強い思いに囚われるあまり、過剰な行動に走る人物が描かれがちです。本作においては、岩下志麻がそれに当たりますが、それ以上に岸田今日子が怖いです。
それにしても、岸田の怪演や鮮血夥しいグロ描写から、松竹と角川春樹事務所が共同制作した本作は、松竹出身の野村芳太郎が監督しても良かった気がします。野村も過剰な演出に定評がありましたから。それでも大映出身の増村が監督を任されたのは、『犬神家の一族』の市川崑が大映に所属していた頃、市川作品の助監督経験があったからではないかと想像してしまいます。
本作の殺害シーンで血糊量が多いのは、「血」の物語であることを暗示した演出です。連続殺人事件の謎が暴れていくと、ある親子の悲劇が浮かび上がってきます。その親子関係には、「毒親」や「児童虐待」の要素があります。本作には、現代でも通用するテーマが含まれているのです。
★★★☆☆(2019年12月21日(土)DVD鑑賞)
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