【映画評】シェルブールの雨傘 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。人見知り芸人のはずだったバカリズムまで結婚するに至り、有吉弘行の心境や如何に(やしきたかじんみたいに、悪い小娘に捕まらなければいいのですが)。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『シェルブールの雨傘』です。

 

フランス北西部の港町シェルブール。自動車修理工の青年ギイと傘屋の娘ジュヌヴィエーヴは結婚を誓い合った恋人同士だったが、ギイに送られてきたアルジェリア戦争の徴兵令状が2人の人生を大きく翻弄する(映画.comより一部修正して引用)。1964年日本公開作品。監督はジャック・ドゥミで、出演はカトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ、アンヌ・ヴェルノン、ミレーユ・ペレー、マルク・ミシェル、エレン・ファルナー。

 

全編歌詞で地の台詞がないミュージカル映画です。これでは、ミュージカル嫌いの理由にありがちな「台詞から突然歌に入るのが不自然で嫌だ」が当てはまりません。終始歌っているのですから。

 

カトリーヌ・ドヌーヴもニーノ・カステルヌオーヴォも上手に歌っていますが、実は全てプロの歌手による吹き替えです。アニメと同じシステムです。この方法には、演者が歌詞や歌唱に気を取られることなく、芝居に集中できるという利点があります。

 

歌以外に、セットや衣装の色彩も気になります。原色に近い色を用い、コントラストがはっきりした世界を創り出しています。現実味がない世界だと言えますが、そもそもミュージカル(しかも歌い続けている)ですから、そこを突くのは、あまり意味がないでしょう。

 

現実味がない世界観の下、物語自体は割とよくあるパターンです。そのギャップが何かの狙いなのでしょうか。

 

最終的に、ギイ(カステルヌオーヴォ)とジュヌヴィエーヴ(ドヌーヴ)は別々の人生を歩むことになります。劇中の台詞で「雨傘を選ぶ」=「打算的」と解するシーンがあり、雪降る聖夜のラストに「打算的な人生は幸福か?」と問いかけられるのです。

 

★★★☆☆(2019年12月17日(火)DVD鑑賞)

 

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)