桑田佳祐「男はつらいよ」主題歌&オープニングに出演!山田洋次監督から熱烈ラブレターで快諾
[映画.com ニュース]「サザンオールスターズ」の桑田佳祐が、国民的人気映画シリーズの50作目となる「男はつらいよ お帰り 寅さん」の主題歌「男はつらいよ」をオープニングで歌唱し、出演も果たしていることが明らかになった。
1969年8月27日、第1作「男はつらいよ」が封切られてから50年。シリーズ50作目となる22年ぶりの最新作は、故渥美清さんが演じてきた車寅次郎の甥(おい)である満男(吉岡秀隆)と、満男がかつて思いを寄せたイズミ(後藤久美子)のその後の物語。別々の人生を歩んできたふたりを軸に、さくら(倍賞千恵子)、博(前田吟)、“くるまや”を取り巻く人々の現在が描かれる。
今回の桑田の主題歌歌唱、そして出演に至る経緯は、テレビ番組で「男はつらいよ」を歌う桑田の映像を目にした山田監督が「実にうまい!」と感激したことが出発点だ。今作の製作に際して、山田監督が「ぜひ、新しい寅さんの幕開けをあの素晴らしい桑田さんの『男はつらいよ』で始められないか。出来れば出演もしていただき、華を添えてもらえないだろうか」と提案し、熱いラブレターをしたためた。“求愛”を受けた桑田も、かつて自身のテレビレギュラー番組に「音楽寅さん」というタイトルをつけるほど寅さん、山田監督のファンで、これまでステージなどで何度となく「男はつらいよ」を披露してきた。それだけに、山田監督の熱い思いを受け取るや、即座に快諾したという。
思いが実を結んだ山田監督は、「桑田君が歌う『男はつらいよ』は、人を優しい気持ちにさせ、元気づけてくれる。『まあ、こんな私でもなんとか生きていけるんじゃないかな』。観客の背中をポンと押してくれるような素晴らしい主題歌となり、記念すべき50作目のオープニングを飾るに相応しい名シーンとなりました」と喜ぶ。さらに「桑田君、『寅さん』の世界に飛び込んで来てくれてありがとう!『音楽寅さん』はまさに『映画寅さん』でもあった。渥美さんもきっと喜んでくれると思います」と万感の思いを込めた。
憧れの「男はつらいよ」に出演した桑田は「山田洋次監督はじめ、山田組や松竹映画スタッフの皆さまには、何と御礼を申し上げたら良いのか言葉もございません」と胸中を告白する。山田監督と顔を合わせた日のことにも触れ、「昨年末、私のライブにまでわざわざお越し頂き、4時間越えのステージを最後までお立ちになったままご覧頂いた山田監督。憧れの人にお逢い出来た瞬間、私は全身から力が抜けてしまったことを忘れません。撮影スタジオでは、主題歌を歌うシーンで私のおぼつかない『演技』に、あたたかくご指導を頂きましたことは、一生の思い出です」と思いをはせている。
既にオールアップしている「男はつらいよ お帰り 寅さん」は、現在編集中で春に完成予定。12月27日に全国で公開される。
転載元:映画.com
【ここから私の意見】
これは音楽界と映画界を股にかけたビッグニュースですね。“音楽寅さん”こと桑田佳祐が本家本元の『男はつらいよ』とコラボレーションするのですから。
今回の決定に対し、熱烈な映画『男はつらいよ』ファンからは批判的な意見もあるようです。桑田より渥美清によるオリジナル版の方が良いという意見です。しかし、山田洋次監督が桑田にすると決めたら、それで良いのです。『男はつらいよ』シリーズは山田監督自身が脚本を書き、演者にはアドリブを許さず、台詞を一字一句変えずに発することを要求するほど、完全な山田ワールドなのですから。
その山田監督が、現在の日本を代表する歌手である桑田に主題歌を任せたことから、新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』は今を生きる私たちの物語なので、現在にアップデートしなければならず、単なる後ろ向きなノスタルジーであってはならないという思いを読み取ることもできます。
ところで、今回の仕事は「桑田佳祐」ソロ名義で行うことになります。サザンオールスターズは3月30日から6月16日まで『サザンオールスターズ LIVE TOUR 2019「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」』を行い、『男はつらいよ お帰り 寅さん』の公開日が12月27日であることから、桑田はライブツアー後、サザンの活動を休み、ソロ活動に入るのでしょうかね。ここ何十年かは、そうやって創作モチベーションを保ってきましたから。
音楽寅さんは噂をすれば、ひょっこり帰って来るものです。
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