第三課 小野道風。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

明治二十六年発行の『新撰小學讀本巻五』を紹介します。なお、読み易くするため、地の文は平仮名に統一し、文字化けを防ぐため、漢字は所々新字体に改めます。
 
第三課 小野道風。
 
むかし小野道風といふ人あり。或雨の降る日、池のほとりを、歩みける時、一疋の蛙、水の中より、岸の柳に飛び付かんとし、幾たびとなく落ちたれども、更にたゆむことなく、勉強して、遂に其枝に飛び付きたり。
道風は、之を見て大にかん心し、人の事をなすも、之と同じく、たゆまず勉強すれば、志を達せざることなきはずなりと思ひ、之より大さう勉強して、字を習ひ、又學問をはげみ、遂には、世に名高き手書きとなれりとぞ。
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【私なりの現代語訳】
 
昔小野道風という人がいました。ある雨の日、池のほとりを、歩いている時、一匹の蛙が、水の中から、岸に生えた柳に飛び付こうとし、何度となく落ちたけれども、更に弛むことなく、勉強して、遂に柳の枝に飛び付きました。
道風は、これを見て大いに感心し、人間が物事を行うのも、これと同じで、弛まず勉強すれば、目標を達成しないことはないはずだと思い、それから大層勉強して、字を習い、また学問に励み、遂には、世に高名な書家となったのです。
 
【私の一言】
 
文中の「勉強」は「努力」にも置き換えられます。小野道風の書は高い価値があり、骨董屋で店主に道風の書だと言われて買い、家に帰って明るい所でよく見ると「今川焼」と書いてあって騙されたなんて話がありますな(古今亭志ん生『火焔太鼓』のマクラより)。
 
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