第二課 鶴の親切。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

明治二十六年発行の『新撰小學讀本巻五』を紹介します。なお、読み易くするため、地の文は平仮名に統一し、文字化けを防ぐため、漢字は所々新字体に改めます。
 
第二課 鶴の親切。
 
或池に、一疋の亀住み居たり。一羽の鶴、毎日此池に來りて、共にあそびしが、遂には無二の友達となれり。或年の夏、晴天打つづきて、池の水は次第に少なくなり、食物とすべきものなく、亀は飢ゑて大に苦み居たり。鶴は之を見て氣の毒に思ひ、或日、一羽の友鶴をいざなひて、細長き棒を持ち來り、亀に其眞中をくはへしめ、二羽の鶴は、其りやうはしを、しかとくはえて、とほき、ところにある、大なる池に伴ひ行き、前の如く、親く交りたりとぞ。
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【私なりの現代語訳】
 
ある池に、一匹の亀が住んでいました。一羽の鶴が、毎日この池に来て、一緒に遊んでいると、遂に無二の親友になりました。ある年の夏、晴天が続いて、池の水は次第に少なくなり、食べ物にできる物もなく、亀は飢えて大いに苦しんでいました。鶴はこれを見て気の毒に思い、ある日、一羽の友達の鶴を連れて、細長い棒を持って来て、亀にその真ん中をくわえさせ、二羽の鶴は、その両端を、しっかりとくわえて、遠い、所にある、大きな池に連れて行き、前のように、親交を深めました。
 
【私の一言】
 
このように親交を深める亀と鶴ですが、千年経って鶴に先立たれた亀は、新しい鶴を友達にしないと寂しいでしょうね。
 
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