
古代エジプトの王女アマネットは次期女王になる約束を裏切られた怒りから闇に堕ち、生きたまま石棺に封印されてしまう。それから2000年後、中東の戦闘地帯で石棺が発見される。発掘に立ち会った米軍関係者ニックは、考古学者のジェニーらとともに輸送機で石棺をイギリスに運ぼうとするが、その途中でトラブルが発生。ジェニーは脱出したものの、ニックを乗せた輸送機はロンドン郊外に墜落し、石棺が行方不明になってしまう(映画.comより引用)。2017年日本公開作品。監督はアレックス・カーツマンで、出演はトム・クルーズ、アナベル・ウォーリス、ソフィア・ブテラ、ジェイク・ジョンソン、コートニー・B・ヴァンス、マーワン・ケンザリ、ラッセル・クロウ。
アメコミ実写化の「マーヴェル・シネマティック・ユニヴァース」に対抗して、ユニヴァーサル社が往年のモンスター映画をリブートする「ダーク・ユニヴァース」の第1弾です。オリジナルは1932年に製作された『ミイラ再生』で、『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』として一度リブートされています。
『ミイラ再生』では、ボリス・カーロフ演じるイムホテップ=ミイラ男がメインですが、本作では、ソフィア・ブテラ演じる王女アマネット=ミイラ女がメインです。男女平等というポリティカル・コレクトを理由に、そうしたのでしょうか。アマネットの容姿がセクシーなので、文句はありませんけど。
『ミイラ再生』だけだと話が弱いのか、他のホラー映画からのネタも取り入れています。アマネットが男の口から精気を吸い出すシーンは『スペースバンパイア』で、ニック(トム・クルーズ)の相棒クリス(ジェイク・ジョンソン)が幽霊となって現れるシーンは『狼男アメリカン』です。ラッセル・クロウ演じるジキル博士も話を補強するために取り入れたのでしょう。
本作はモンスター映画のリブートであるにもかかわらず、アクションや大規模破壊のシーンが多く、アクション映画寄りになっています。ましてトムがアクションしているシーンがあると、『ミッション:インポッシブル』シリーズの新作に見えてきます。
思うに、トムのように個性が強いスター俳優を出演させると、結局トムの映画になってしまうので、モンスター映画である本作に出演させたのは得策ではありません。モンスター映画の主役は、あくまでモンスターですからね。
★★★☆☆(2018年12月22日(土)DVD鑑賞)