第二十九課 目ある人却て不自由なり。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

明治二十年発行の『普通讀本四編上』を紹介します。なお、読み易くするため、地の文は平仮名に統一し、文字化けを防ぐため、漢字は所々新字体に改めます。
 
第二十九課 目ある人却て不自由なり。
 
塙保己一は、武藏國兒玉郡保木野村出生の人なり。七歳にして、兩眼病の爲に明を失へり。十五の時江戸に出でて、弾琴鍼治を學べども業成らず、己も亦之を好まざりけり。日々に古書を學ぶことを務めとし、一冊の書を得れば、人にたのみて之を讀み、且つ講せんことを請ひ、其聞しところは、輙ち反復自ら誦讀し心に翫味して、遂に文字に通ぜり。更に當時の名家に從ひて、博く和漢の學を修め、殊に皇朝の故事に精はし、幕府に召されて檢校となり、其名世に著はる。
 
【私なりの現代語訳】
 
塙保己一は、武蔵国児玉郡保木野村(現在の埼玉県本庄市児玉町保木野)生まれの人です。7歳にして、両眼を病気のため失明しました。15歳で江戸に出て、琴の演奏や針治療を学んでも上達せず、自らもまたこれを好みませんでした。日々に古書を学ぶことを務めとし、1冊の書物を手に入れれば、人に頼んでそれを朗読し、かつ説明してもらうことを頼み、その聞いたところは、いつでも反復して自分から声に出して読んで心によく理解し、遂に文字を理解しました。更に当時の名家に従事して、広く日本と中国の学問を身に付け、殊に日本の故事に精通し、幕府に呼ばれて検校(盲人の最高位にある職)となり、その名を世に広めました。
 
【私の一言】
 
塙保己一という名の偉人について紹介しています。私はこれを調べるため、ヤホーで検索しました……って、それはナイツの塙!
 
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