【映画評】忍者ゾンビ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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25歳の誕生日を迎えたアジア系アメリカ人の青年ダミアンは、亡き両親が遺したトランクを開ける。そこには、日本語で書かれた巻物と古びた日本刀が入っていた。巻物によると、日本刀はダミアンの先祖である侍テンシュウのもので、子孫が持つことによりテンシュウと同じ剣技が使えるという。やがて、ダミアンの前に忍者装束をまとったゾンビが現われ……(映画.comより引用)。2011年製作で、日本劇場未公開作品。監督はノア・クーパーで、出演はマイク・リー、マイク・カストロ、パメラ・チャン、アダム・ディスコ、カイリー・ギャラトリー、ロイド・カウフマン、サング・キム。
 
低予算ホラー映画を作るのに、ゾンビは丁度良いモンスターです。エキストラに顔色の悪いメイクや血糊を塗って、ボロボロの古着を着せれば、ゾンビの外見は完了です。後は唸り声を上げながら、ゆっくり動けば、それでゾンビになります。エイリアンなど着ぐるみ系だと、作るのに金も時間もかかるので、敬遠されます(最近はCGで何とかなるので、そうでもありませんが)。それ故、低予算ホラー映画はゾンビ物だらけで、本作もその一つです。
 
しかし数多あるゾンビ映画と異なり、本作はジャパニーズ忍者の要素も取り入れているのが異色です。プロデューサー兼出演のマイク・カストロの風貌がオタク丸出しであり、おそらく日本の漫画やアニメが好き過ぎて、本作を作ったのでしょう。
 
しかし、所詮漫画やアニメで得た知識なので、日本人から見れば歴史観は変てこです。百田尚樹の盗用つぎはぎ本『日本国紀』並みに、ツッコミどころで満載です。スタッフやキャストに日本人がいないので、誰も指摘できなかったのでしょう(エンドロールをよく見れば、女忍者役が日本人のようです。かなりの大根役者でしたが)。
 
アメリカ映画だから、日本史のことは大目に見るとしても、本作の出来は映画サークルの自主映画レベルです。ストーリーの粗雑さ、出演者の演技下手も酷いものですが、タイトル(原題“NINJA ZOMBIES”)に「忍者」の文字があるにもかかわらず、日本刀を用いたアクションがダメなのは致命傷です。真田広之でもいれば何とかなったのでしょうが、低予算映画なので、そこまでは望めません。『キル・ビル』など日本刀アクションがある映画の見様見真似でやってるのが伝わってきます。
 
だからと言って、日本刀アクションを磨いたところで、せいぜい北村龍平監督の『VERSUS』もどきになる程度です。結局B級映画の枠を出ることはない作品でしょう。
 
☆☆☆☆(2018年10月26日(金)DVD鑑賞)
 
ラストで生き残るのが非リア充だけというのは作り手の願望でしょう。
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