
女子高生のミツコは、何者かに追われ、ふと気が付くと学校の教室にたどり着いていた。一方、ケイコは知らない女性にウエディングドレスに着替えさせられ、何者かに追われる。そして陸上部のいづみも迫りくる恐怖と対峙(たいじ)することとなり……(Yahoo!映画より引用)。2015年公開作品。監督は園子温で、出演はトリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜、桜井ユキ、磯山さやか、高橋メアリージュン、斎藤工。
原作は山田悠介の小説で、何度も映画化とテレビドラマ化をされています。「原作を読んでいない」と明言した園子温監督は、原作の「ある特定の属性を持った者(原作では全国の佐藤さん)が鬼に命を狙われて逃げる」という設定だけ借りて、独自の不条理劇に仕上げました(まあ、原作は日本語が下手糞な駄作なので、読まなくてもいいです)。
冒頭から女子高生大量輪切りのグロ描写があり、『自殺サークル』で女子高生大量飛び込み自殺を描いた園監督らしいです。また突如格闘シーンが始まると、パンチラ見せまくりで、『愛のむきだし』の満島ひかりや『TOKYO TRIBE』の清野菜名を思い出させます。そもそも演者をやたら走らせるのは、園監督作品の定番でもあります。
主人公はミツコ(トリンドル玲奈)、ケイコ(篠田麻里子)、いづみ(真野恵里菜)と姿を変えますが、同一人物です。これは『ロスト・ハイウェイ』などデヴィッド・リンチ作品にも見られます。リンチ作品が不条理で難解だと評価されるように、本作もストーリーを理解するのに一筋縄ではいきません。
結局主人公の人格が外見を変え、異なる状況で一定の役割を演じさせられるゲームに参加させられていると解釈できます。おそらく園監督はタイトルの「リアル」という言葉に引っかかったのであり、それを逆手に取って、非リアルなゲーム的世界を描くことでリアルな何かを表現しようとしたのでしょう。
★★★☆☆(2018年6月23日(土)DVD鑑賞)
斎藤工がAV男優みたいな白ビキニパンツ一丁になりますよ、奥さん!