第十九課 東京。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

明治二十年発行の『普通讀本四編上』を紹介します。なお、読み易くするため、地の文は平仮名に統一し、文字化けを防ぐため、漢字は所々新字体に改めます。
 
   第十九課 東京。
 
東京は日本第一の大都府、天皇陛下の宮室を定め給ふ地にして、皇城其中央にあり。皇城を周りて、文武の官衙列なり立ち、其他學校、病院、製造所等あり、建築皆宏壮にして美麗なり。市街縦横に通じて、商家櫛の如く並び、車馬行人晝夜織るが如し。電信線は空に架して、宛も蛛の網を張るに似たり、瓦斯燈は街を照らして、方に夜を知らざるの城市とも稱すべし。加ふるに大小の河溝通ずるを以て、運送尤も便なり。現今は戸數三十萬餘、人口百萬に上りて、實に繁盛を極む。巻首に畫きたるは、府下第一の勝地にして上野公園と稱する所なり。園内古松老杉多く、又櫻樹多し、其西麓に不忍池あり、蓮花を以て著る。
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私なりの現代語訳】
 
東京は首都で、天皇陛下がお住まいになっている場所にして、皇居がその中央にあります。皇居の周囲に、文武の官庁が連なって立ち、その他に学校、病院、製造所等があり、建物は全て大きくて美しいものです。市街が縦横に通じて、商家が櫛のように並び、馬車も通行人も昼夜機織りの糸のように動きます。電信線は空中に架かって、まるで蜘蛛が網を張るのに似ており、ガス灯は街を照らして、正に不夜城と呼ぶに相応しいです。それに加えて大小の運河が通じていることで、運送が当然便利です。現在戸数は30万余り、人口は100万に上って、実に繁栄を極めています。この本の初めに描かれているのは、都一番の景勝地であって上野公園という場所です。園内には古い松の木や老いた杉の木が多く、また桜の木が多くて、その西側に不忍池があり、蓮の花で着飾っています。
 
【私の一言】
 
死にたいくらい憧れた 花の都 大東京(長渕剛「とんぼ」より)の話です。当時と比べて、人口が10倍以上に増加したビッグシティです。今はTOKYOよりもTOKIOの方が気掛かりですね。
 
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