【映画評】二人の瞳 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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戦争孤児を引き取っては万引きなどの犯罪を仕込む義父から、義弟義妹たちといっしょに逃げ出したマリ枝。マリ枝は彼らを捕まえようとする義父に追われて米駐日大使の屋敷の庭に逃げ込み、大使の娘ケイティと出会って、お互いに惹かれる。数日後、マリ枝の義弟がスリと間違えられて警官に補導され、ケイティに助力を求めるため、自分たちが虐待を受けていると偽ってしまう。ケイティは彼らを信じ、自分の家でいっしょに暮らすことを提案、また孤児院建設のために運動を始めるが、マリ枝はウソをついてしまったことを後悔するようになる(AmazonのDVD商品説明から引用)。1952年公開作品。監督は仲木繁夫で、出演はマーガレット・オブライエン、美空ひばり、三浦光子、杉狂兒、星ひかる、岡村文子、ジョン・ノートン。
 
若草物語』のマーガレット・オブライエンと、後に国民的歌手となる美空ひばりが共演します。同い年の日米名子役が揃い踏みです。子役版『キングコング対ゴジラと言えます。
 
オブライエンは片言ながら日本語の台詞をたくさん話します。日本に初めて住む駐日大使の娘という役柄上、あまり日本語が上手過ぎても不自然なので、片言くらいで十分です。子役とは言っても、プロ意識の高さを感じさせます。
 
ひばりは当時15歳とは思えない落ち着きのある演技を見せます。劇中に歌唱シーンがあり、そこでは子供らしからぬ歌声を聴かせてくれます。上掲ポスターを見て分かるとおり、オブライエンもひばりも今の15歳女子と比べたら、ずっと老け……いや、大人っぽいですね。
 
しかし、オブライエンとひばり以外の子役は、いかにも子役といったレベルの演技です。また、内容は分かり易いベタな感動物なので、特に奥深さや目新しさはありません。
 
あえて深読みすれば、マリ枝(ひばり)たちが戦争孤児であり、その苦境を駐日アメリカ大使の娘であるケイティ(オブライエン)が救うストーリーは、戦後日本の復興はアメリカの慈悲深さのおかげだと含ませているようにも読み取れます。何しろ本作が公開された1952年には、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約が発効し、GHQが廃止されていますからね。アメリカの恩を忘れるなという書き置きみたいな映画なのかもしれません。
 
★★☆☆☆(2018年2月1日(木)DVD鑑賞)
 
美空ひばり以後で10代なのに大人っぽい歌声なのは中森明菜くらいでしょうか。
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