【映画評】日本一の色男 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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ワルノリのし過ぎで女学校をクビになった光等は、ローズ化粧品にセールスマンとして雇われる。舌先三寸で顧客を丸め込み、彼は次第に日本一のセールスマンになっていく……(Yahoo!映画より引用)。1963年公開作品。監督は古沢憲吾で、出演は植木等、団令子、草笛光子、白川由美、浜美枝、淡路恵子、京塚昌子、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、由利徹、田崎潤。
 
クレージーキャッツ出演の「日本一」シリーズの第1作です。植木等が女性にモテモテのセールスマン役を演じます。役名が「光等(ひかるひとし)」であるのは、『源氏物語』の光源氏にあやかったものでしょう。
 
「無責任」シリーズの古沢憲吾監督なので、展開はスピーディーです。植木の歌唱シーンが唐突に挿入されますが、勢いに押し切られて不満を感じません。
 
光等を好きになるのは、同僚(団令子)、芸者(草笛光子)、バーのマダム(白川由美)、美容学校校長(淡路恵子)、社長の愛人(浜美枝)です。全員大人らしく見え、草笛、白川、淡路は特に色気があります。しかし製作当時、全員30歳以下で、浜に至っては20歳です(流石ボンドガール!)。現在活躍している30歳前後の女優の幼さと比較すれば、日本人女性のDNAに劇的な変化があったのかと気になります。
 
ついでに言うと、色気のない女性政治家役の京塚昌子が光等のメイクによって女っぽくなるというシーンがあり、京塚は“日本のおふくろ”感たっぷりの豊満体型です。しかし製作当時の京塚は33歳で、現在の綾瀬はるかと同じ歳、深田恭子より年下ということになります。これには驚きました。
 
本作は『ニッポン無責任野郎』と『クレージー作戦 くたばれ!無責任』の間の作品で、植木が演じるキャラクターが過渡期にあります。劇中で「無責任一代男」を歌う一方で、「これからは責任時代」という台詞を言っているからです。
 
「無責任」シリーズでは、法や道徳に反することを陽気に行うアナーキーな主人公がハッピーエンドを迎えたものですが、本作のラストは主人公が悲しい目に遭う、少し苦みのあるものになっています。脚本家の違い(「無責任」シリーズは田波靖男で、本作は笠原良三)だけでなく、シリーズの方向性、更には時代の方向性が変わりつつあったということなのでしょう。
 
★★★☆☆(2018年1月10日(水)DVD鑑賞)
 
由利徹が東北訛りのエロ社長というテッパン芸を見せてくれます。
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