ウーマンラッシュアワーの村本大輔を深読みする。 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

袋叩きも…元旦『朝生』のウーマン村本は全然間違っていない! 本当のバカは三浦瑠麗と落合陽一だ
 
LITERAの記事が長文なので、全文転載しません。要は、年末に政治批判ネタを漫才にして話題になったウーマンラッシュアワーの村本大輔が、元日の『朝まで生テレビ』に出演したら、その無知を出演していたパネラーから叩かれ、ネット上でも袋叩きに遭ったという話です。
 
ところで、村本は本当に無知なのでしょうか。『朝生』の再録記事を読むと、井上達夫・東京大学教授から「君、9条2項の文章読んだことがあるの?」と問われた村本が「読んだことがない、だから聞いている」と答え、井上から「少し自分の無知を恥じなさい」とたしなめられています。しかし、その後の村本の発言は、彼なりの9条解釈に基づいており、憲法第9条の文言を全く読んでいないとは思えません
 
また、昨年の衆院選直後に村本は投票に行かなかった旨のツイートをして、ツイッター上で叩かれましたが、年末に本当は投票に行っていたことを明かしました。叩かれたツイートの真意は、政治に無関心な有権者と、有権者が関心を持つような選挙にしない政治家やマスコミへの問題提起にあったようです。
 
これらのことから、村本は本当は知っているのに無知を装う、お笑いの基本である「ボケ」の役割を忠実に演じていると考えられます。漫才でもコントでも、ボケ役はきちんと正解を知っていながら、意図的に間違った答えを言い、それに対してツッコミ役が正解を示し、そのズレを客に認識させることで笑いを生みます。ボケ役が本当にバカだと思っている客は、自分自身がバカだと気付かない本物のバカです(ボケ役としては、そこまで客を信じ込ませたら、達成感があるでしょう)。
 
すなわち、村本がボケているにもかかわらず、それに対して本気で対応(マジレス)する『朝生』出演者の学者連中も、ネット上で叩いたユーザーも、頭が悪くてセンスがない本物のバカなのです。こいつらは、村本が芸人だから見下しているのでしょうね。「芸人なめんなよ! バカはお前だ!」と嘲笑してやりたいです。
 
村本への反応によって、学者連中の正体がむき出しにされました。それが村本を『朝生』に出演させた意味なのです。そもそも『朝生』はTVショーですから、如何に出演者間の討論を面白く見せるかが重要です。村本は討論の「起爆剤」として呼ばれたのでしょう。おそらく村本は『朝生』についても事前に研究してきたはずです。司会の田原総一朗は「僕は○○について、よく分からないんだけど、ちょっと説明してよ」と、出演者に話を振るテクニックを用いますが、これは無知を装う村本の「ボケ」と同じですから。
 
『朝生』に二回出演し、今後も呼ばれる可能性が高い村本には、かつての小林よしのりのようなポジションを番組側から求めらている気がします。村本の本業は漫才師で、小林の本業はギャグ漫画家ですから、笑いを追求している点で同じです。
 
また、最近の村本のツイートでは、政治批判ネタをやった自分が年末年始のお笑い番組に呼ばれなかったことによって、地上波テレビの限界を可視化できた旨の発言がありました。これは、村本が本当に問題視しているのは、自分が追求する笑いにとって障壁となるメディアの自主規制であることを示してます(すなわち村本の中では、笑いが政治より上位概念にあり、それは芸人として正しい在り方です)。
 
他方、小林が『ゴーマニズム宣言』で初めに切り込んだのは、差別表現に対するメディアの自主規制についてであり、不思議なことに村本と共通しているのです(当時の小林の中では、漫画を自由に描けることが政治より上位概念にあったのです)。更に、かつての小林は『ゴー宣』で当時の論敵だった西部邁を戯画化していましたが、村本は東大教授である井上を「たっちゃん」呼ばわりするツイートをしており、権威を茶化す態度まで同じです。
 
権威を茶化す態度では、村本が「おい、バカ学者ども、お前達は街の人を知らない。みんな仕事がある。お前らは知で飯食ってるから知ってるだけ」というツイートをしており、これは、小林が初期『ゴー宣』で学者を「本に埋もれておまんまを食ってる」存在とバカにしたのと同趣旨です。ここまで来ると、村本は小林のことも研究して、知っているのではないかと思えてきます。
 
そんな村本が『朝生』に出演し続け、論客扱いされると、自分のポジションを脅かされることを察したのか、小林は自分のブログで村本との『朝生』共演NGを宣言しました。こうした場の空気を読み取る感覚の鋭さは、小林が一定の人気を保っていられる秘訣なのでしょう。
 
小林が本業であるギャグ漫画家から保守論客へとシフトチェンジしたように、村本も漫才師が本業であることを忘れてしまうのでしょうか。私はそれが気掛かりです。村本が権威を茶化し続ける最強の道化であり続けることが、お笑いが政治に従属しない唯一無二のジャンルであることの一証明になるのですから(日本のお笑いのトップであるビートたけしや松本人志が安倍晋三首相をヨイショして、権威に阿る醜態を晒しているので、村本への期待は大きくならざるを得ません)。
 
にほんブログ村 ニュース批評に参加しています(よろしければクリックを!)