【映画評】セプテンバー | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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暗い過去を持つ娘二人と横暴な母、その愛人等、様々な人物の愛憎を描くホームドラマ(Yahoo!映画より引用)。1988年日本公開作品。監督はウディ・アレンで、出演はミア・ファロー、ダイアン・ウィースト、ジャック・ウォーデン、デンホルム・エリオット、サム・ウォーターストン、エレイン・ストリッチ。
 
ウディ・アレン監督作品ですが、本人は出演していません。それに加えて、アレン作品なのに笑いがなく、母と娘の関係が中心に描かれるのは『インテリア』と共通しています。同作の公開から10年近く経っているので、キャリアを積んだアレンには、類似のテーマをどう撮るかという挑戦の意味合いもあったでしょう。
 
主人公レーン(ミア・ファロー)は、14歳の時に父と自分を捨てた母ダイアン(エレイン・ストリッチ)の愛人を撃った過去を持っています。ダイアンは、その過去も含めた自叙伝を書くと言い、レーンをイライラさせます。そして、レーンが片思いしていたピーター(サム・ウォーターストン)を、親友で人妻のステファニー(ダイアン・ウィースト)が略奪したことで、レーンがブチ切れ、衝撃の告白をします。
 
とにかくレーンを精神的に疲れさせることばかり起こります。ダイアンもステファニーも、それぞれ事情はありますが、レーンには自由奔放にやっているようにしか見えないでしょう。ずっと“ある秘密”を守って、我慢して生きてきたレーンの感情が爆発するのも無理はありません。
 
本作の始まりと終わりのカットは、登場人物が映っていない別荘の中を映しています。また、全てのシーンが別荘内であり、舞台劇のようでもあります。思うに、本作の主役は家(=別荘)ではないでしょうか。本作と類似するテーマの『インテリア』も、家(の内装)を強調した映画でした。
 
主役である別荘は、レーンの亡父が遺したものです。だから、別荘には亡父の思念が残留しており、始まりと終わりのカットは亡父の視点から見たものと解釈することもできます。そして、本作は夏が終わる9月という設定です。もしかしたら、本作は一種の怪談なのかもしれません。
 
★★☆☆☆(2017年12月7日(木)DVD鑑賞)
 
上記解説の「娘二人」は誤りで、正しくは「娘とその親友」でしょうね。
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