昨日千秋楽を終わった大相撲九州場所で、白鵬が優勝インタビューで「この土俵の横で誓います。場所後に真実を話し、膿を出し切って日馬富士関と貴ノ岩関が再びこの土俵に上げてあげたいなと思います」と発言しました。観客からどよめきの声が上がりましたけど、この発言の意味を理解した人は、どれくらい居たでしょうか。
日馬富士による貴ノ岩暴行事件は、モンゴル人力士の飲み会(略してモンゴル会)で起こりました。異国で闘う同郷の者たちが打ち解けて交流できる場と言えば、聞こえは良いですが、同部屋ではなく異なる部屋の力士が場所前に飲み会をすることに問題はないのでしょうか。八百長の打ち合わせをしているのではないかと疑われるおそれがあります。「李下に冠を正さず」で、本来そのような飲み会は控えるべきです。
貴乃花親方は、それを心配して弟子の貴ノ岩にモンゴル会から距離を置くように指導し、貴ノ岩も実行したのでしょう。それを気に入らなかった日馬富士が言いがかりをつけて貴ノ岩を“制裁”したのが、今回の暴行事件だと思われます。大きな体をした相撲取りなのに、やっていることは陰湿なガキのいじめみたいですが。
大事な弟子に理不尽な暴行をされた貴乃花親方は、堪忍袋の緒が切れました。土俵の上での攻撃なら許すが、土俵の外での攻撃は許せず、警察に被害届を提出するという手段に出ました。貴乃花親方は相撲協会の隠蔽体質を知っているので、協会内での処理に委ねなかったのでしょう。かつて弟子を金属バットで撲殺するという最悪の不祥事を生んだ、相撲協会の管理能力の無さを貴乃花親方は内部にいて嫌と言うほど知っているはずです。だから、揉み消しを意図する相撲協会が行う調査を拒み、あくまで刑事事件だからマスコミからの質問にも無言を貫き通しているのです。
貴乃花親方は、モンゴル会の解体も狙っているのでしょう。モンゴルから来日した旭鷲山が貴ノ岩に接触するのを阻んだのは、モンゴル力士に対する不信があるからです。もしモンゴル会が無くなると、面白くないのは白鵬です。朝青龍から継承した角界の一大勢力の長の座を失うのですから。だから、白鵬から見れば貴乃花親方は敵となるわけです。
以上のように事件の内実を想像すると、白鵬の発言の意味が分かってきます。白鵬にとって「膿」とは貴乃花親方であり、奴を始末しろと相撲協会に圧力をかけているのです。貴乃花親方を悪者にして、騒動の責任を取らせろと。そうすれば日馬富士は無罪放免、貴ノ岩は同郷の仲間だからモンゴル会の軍門に下れば許してやるということです。
相撲協会は相撲人気を支え、前人未到の記録を残してきた大横綱・白鵬に逆らえないでしょう。現にマスコミを通じて「貴乃花親方は理事長の座を狙って相撲協会に反発している」という空気を作っています。しかし、日馬富士が貴ノ岩を殴ったことを認めているので、全て貴乃花親方が悪いという結末は無理でしょう。髷結ったデブたち(昔結っていたデブも含む)の悪だくみに乗せられたくないものです。
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