【映画評】彼のオートバイ、彼女の島 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

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初夏の信州で知り合った男女が、オートバイを通して結ばれていくまでを描く(映画.comより引用)。1986年公開作品。監督は大林宣彦で、出演は原田貴和子、渡辺典子、竹内力、高柳良一、田村高廣、三浦友和、根岸季衣、峰岸徹、尾崎紀世彦。
 
片岡義男の小説を原作とした角川映画です。大林宣彦監督の角川映画ということで、高柳良一(『ねらわれた学園』『時をかける少女』)、峰岸徹(『ねらわれた学園』『天国にいちばん近い島』)の他、小林聡美と尾美としのり(『転校生』)など大林作品常連俳優が顔を見せています。
 
何と言っても、竹内力映画デビュー作であることが本作の注目ポイントです。本作のタイトルで画像検索すれば、若き日の力を見ることができます。現在の“Vシネマの帝王”がふさわしい姿になるなんて、誰が予想できたでしょう。
 
温泉に入浴するシーンで、力はヌードまで披露しています。更に恋人(原田貴和子)に送る歌を電話で歌うシーンでは、全裸でベッドに座り、ギターで股間を隠しながら演奏するという、アキラ100%の裸芸を先取りしたリキ100%な姿までサービスしてくれます。
 
力の話に終始してもいけないので、原田貴和子にも言及しましょう。原田貴和子は原田知世の姉で、本作が映画初主演となります。初主演ながら、温泉の入浴シーンでヌードを披露してくれる思い切りの良さです。その努力も報われず、姉は妹ほど女優として大成していませんけどね。
 
本作の主人公(力)はオートバイを愛し、自由に生きている設定ですが、単なる身勝手で、周囲が変に甘やかしているようにも見えます。しかし、本作を1980年代という時代が生んだファンタジーだと思えば、そんな現実的な見方は野暮というものです。カラーとモノクロを使い分ける大林監督の演出も、リアルさよりファンタジーらしさを志向しているようですから。
 
★★★☆☆(2017年10月14日(土)DVD鑑賞)
 
大林監督は現在がんと闘いながらも映画作りに情熱を燃やしています。
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