【映画評】不良番長 猪の鹿お蝶 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

イメージ 1
 
刑務所を出所した番長グループが大組織と攻防を繰り広げる東映不良性感度映画シリーズ第2作。1969年公開作品。監督は野田幸男で、出演は梅宮辰夫、谷隼人、克美しげる、菅原文太、宮園純子、水島道太郎、曽根晴美、左とん平、由利徹、河津清三郎、千葉真一。
 
梅宮辰夫、菅原文太、千葉真一が共演しています。しかし、この当時の彼らには、4年後の『仁義なき戦い』で見せた渋さや怖さはありません。まだ熟成が必要な段階です。
 
女札師である猪の鹿お蝶(宮園純子)が登場して、神坂(梅宮)率いる番長グループと関わっていきます。これは、当時ヒットしていた緋牡丹博徒』シリーズのパクリです。同じ東映内でのパクリなので、問題は生じなかったでしょう。しかし、1960年代に女札師のキャラクターは違和感がありまくりです。
 
大組織に仲間を殺された番長グループは、復讐のために殴り込みをかけます。途中で着流し姿の藤木(千葉)が合流するシーンは、やはり仁侠映画のパクリです。クライマックスは「ここは日本か?」と疑うほど派手な銃撃戦です。仲間が入っているはずの棺桶から機関銃が出現するのは、マカロニウエスタンの傑作『続・荒野の用心棒』のネタです。
 
お笑い要素を入れながら、男気ある不良たちがハチャメチャに暴れる本作を監督した野田幸男は、1980年代以降はテレビドラマに活躍の場を移します。主にテレビ朝日系の『特捜最前線』や『土曜ワイド劇場』の二時間ドラマを手掛けています。その当時、助監督に就いていたのが三池崇史であり、野田イズムは確かに継承されていると感じるのです(ちなみに三池は野田を「やけにカット割りの細かいおっさんだな~」と思っていたそうです)。
 
★★★☆☆(2017年9月2日(土)DVD鑑賞)
 
お笑い担当の由利徹が「東北訛りの中国人」という珍妙な役を演じています。
イベントバナー

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)