日本勢初9秒台の会場「福井県営陸上競技場」が“桐生スタジアム”に!?/陸上
陸上短距離の桐生祥秀(21)=東洋大=が9日に100メートルで日本勢初の9秒台を記録したことを受けて、会場となった福井市の競技場の名称に桐生の名を冠する独自プランが浮上した。福井陸上競技協会の幹部が快挙から一夜明けた10日、名称変更を県に働きかけると明言した。アスリートの偉業をたたえて名前を冠した施設は全国各地にある。陸上界の新たな“聖地”誕生だ。
JR福井駅から車で15分ほど。自然豊かな地にある福井県営陸上競技場が、“桐生スタジアム”に生まれ変わる-。
前日9日、同競技場で行われた日本学生対校選手権の男子100メートルで、桐生が9秒98をマークした。10秒の壁が破られた興奮が冷めやらぬ競技場内で、福井陸上競技協会の木原靖之専務理事(53)が独自のプランを口にした。
「県に働きかけたい。付加価値がつきましたから」
競技場名に「桐生」の名前を冠する形で、名称を“変更”する計画だ。県営施設のため手続きは必要だが、実現すれば桐生の偉業をたたえるとともに日本陸上界の歴史を後世に伝える役割も果たすことになる。
敷地内には野球場や水泳場も併設。来年の国体招致に向けて3年がかりで周辺の宿泊施設の充実を図り、交通の便を整備した。県の努力が実って「福井しあわせ元気国体」の開催が決定。昨春に同競技場のトラックを改修して間もなく、桐生の日本記録が誕生した。
競技場の正面玄関には「9秒98」「日本新記録おめでとうございます」と書かれた横4・8メートル、縦80センチの看板が掲げられ、早速シャッターを切る来場者が続出。祝福ムードで沸いた。9秒台を生んだ聖地として、観光地化される可能性も出てきた。
「(桐生の名前がつけば)将来に走る子供たちに9秒台が生まれた話ができる。後世に残せたらうれしい」と木原氏。北陸で生まれた「9秒98」は、約78万の県民の灯火となった。
【ここから私の意見】
亡くなってから偉業を称えられても、当の本人がいないので意味がないと言われたら、それはもっともです。ノーベル賞も生存者のみ受賞可能ですから(2016年にボブ・ディランはノーベル文学賞を受賞しましたが、今後ジョン・レノンが同賞を受賞することは、規定の変更がない限り、ありません)。
だからと言って、生きている間に偉業を称えられるのが本人のためになるとは限りません。周囲の期待が過度のプレッシャーになり、選手活動に支障を来すことがあります。また、元プロ野球選手の衣笠祥雄が国民栄誉賞受賞後に夜遊びしづらくなったとぼやいていたように、私生活にまで品行方正さを求められるのは酷な場合もあります。「夜遊びしたっていいじゃない。桐生だって人間だもの」。
どうしても競技場の名称変更したいならば、「桐生祥秀記念陸上競技場」は止めた方がいいですね。どこかの小学校みたいで、子供たちを集めて「日本人初 9秒台 良かったです 桐生選手ガンバレ 桐生選手ガンバレ」と言わせている様子を想像してしまいます(関係ありませんが、福井県は稲田朋美元防衛大臣の選挙区ですね)。
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